小型SUVパイオニアの日産「ジューク」、待望の新型が欧州発表 英メディアの反応は?
◆「ジュークしないジューク」
一方で、外観のジュークらしさは健在だ。初代の特徴的なスタイリングをしっかりと継承している、とオート・エクスプレス誌は述べている。ジュークはイギリス国内でデザインされているだけに、現地の関心は高い。力強いホイールアーチや前方ほど大きくなるウインドウなどは、2020年型でも引き続きジュークのシンボルであり続ける。
日産のデザイン責任者は英自動車専門誌のオート・カー(9月3日)に対し、新型ジュークのデザイン精神を明かしている。ポイントは既存デザインの成熟化だ。新型開発の初期段階においてチームは、「新型ジュークをジュークすべきか」迷ったという。これはすなわち、革新的なデザインで登場した初代同様、まったく新しいラディカルな一台を開発すべきかという意味だ。この問いを自問したチームは、第1世代にはまだまだ利用できる遺産が残っていることを改めて認識することになる。同時に改善すべき点も多く浮かび上がり、新型は初代のブラッシュアップという路線に落ち着いた。フルLED化を果たしたヘッドライトなど、その基本精神は細部にまで行き届いている。
◆140台限定のプレミアモデルも
存在感のあるデザインが目を引く新型ジュークの英国メーカー希望小売価格は、基本モデルとなる「ビジア」で1万7395ポンド(約226万円)からの設定だ。このほか、17インチ・アロイホイールとタッチスクリーンを備える「アセンタ」、インテリジェント・キーとレザーシートなど快適性を追求した「Nコネクタ」、19インチアロイ・ホイールとなる上位グレードの「テクナ」「テクナ・プラス」が揃う。最上位の「プレミアム・エディション」は、140台限定のプレミアモデルだ。ブラックをベースにフジ・サンセットと呼ばれるレッドをアクセントに加えた独自のカラーリングが特徴的な同グレードは、アルカンターラ素材の採用などインテリアでも差別化を図る。パワートレインは全グレード共通で、1.0リッター3気筒直噴ターボエンジンと6速マニュアルトランスミッションまたは7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)となる。
ライバル勢が次々とコンパクトSUVを発表するなか、ジュークは2018年に欧州で7万台を販売している。最盛期だった2013年の10万6000台と比較しても、大きな陰りは見えない。モダン化を果たした新型の投入で、さらに勢いに乗ることだろう。
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