小型SUVパイオニアの日産「ジューク」、待望の新型が欧州発表 英メディアの反応は?

 日産の欧州部門は4日、コンパクトSUV「ジューク」の2020年モデルをロンドンなどヨーロッパ5都市で発表した。初代以来初のフルモデルチェンジとなる新型ジュークは、11月末から入手可能となる予定だ。デザイン精神を継承しつつ、大型化・モダン化を果たした力作だ。「ジュークしないジューク」と語る日産開発チームの真意に迫る。

◆弱点一掃、自ら創り出した市場に返り咲けるか
 2010年に登場したジュークはコンパクトな街乗りSUVというジャンルを提案し、それまで存在しなかった市場を切り開いた。以降9年間のうちにルノー・キャプチャーやフォルクスワーゲン・Tクロスなど、同じ市場セグメントに属する20種以上が登場するなか、大幅な刷新がなかったジュークは新シリーズに埋もれてしまった、と英BBCの自動車番組『トップギア』は惜しむ。長年の課題は限られた車内スペースだった。その点、ルノー・クリオおよびキャプチャーとプラットフォームを共有する新型ジュークは、従来よりも全長を75ミリ、全幅を35ミリ拡張し、これを緩和した。ほか、やや古さが目立つようになっていた車内装備も一新する。上位モデルはアップル・カープレイへの対応や8インチタッチスクリーンの搭載など、先進のテクノロジーに対応する。

 ゆとりあるスペースとより拡充したアクセサリについては、英自動車専門誌のオート・エクスプレスも肯定的に評価しているようだ。これらに加え、従来よりも106ミリ大きく取られたホイールベースを同誌は進化のポイントとして紹介している。高張力鋼の採用により、大型化と並行して23キログラムの軽量化を実現した。

Text by 青葉やまと