大手自動車メーカーが続々参戦、フォーミュラE シーズン5がいよいよスタート

Audi e-tron FE05 / Audi

 フォーミュラEシーズン5が12月15日にいよいよ開幕する。フォーミュラEは2012年に国際自動車連盟(FIA)が設立を発表し、2014年9月、中国・北京でシーズン1がスタートした新しいモータースポーツ・シリーズだ。大気汚染対策となる電気自動車の普及促進を狙い、レースは世界各地の大都市や有名リゾート地の市街地コースで行なわれる。5年目となる今年は、サウジアラビアでの第1戦を皮切りにモロッコ、チリ、メキシコ、香港、中国など、第13戦まで4大陸12都市をラウンドする。専用マシンに電動モーターを搭載し、バッテリーによる電気エネルギーで走行する電気自動車レースの最高峰と言える。今年はフェリペ・マッサやストフェル・バンドーンなど元F1ドライバーの加入や、相次ぐ世界的自動車メーカーの参戦が大きな話題となっている。

◆相次ぐ世界的自動車メーカーの参戦
 フォーミュラE(シーズン1、2014-2015年)開始当時は、大手自動車メーカーの関与は少なく、ワークス・チームとしてはインドのマヒンドラが参戦するのみで、それ以外はほぼプライベートチームによる戦いだった。その後、シーズン2でDS(グループPSAの高級車ブランド)、シーズン3ではジャガーと新規参入が続き、シーズン4ではこれまでABTの側面支援を行ってきたアウディがフルワークスで参戦するなど、フォーミュラEはこれまで多くの自動車メーカーを引きつけてきた。

 その勢いはとどまることを知らず、シーズン5からは日産とBMWが新規参戦する。さらにシーズン6にはメルセデス、ポルシェもワークス体制で参入する予定だ。この結果、シーズン6の2019-2020年にはマヒンドラ、DS(PSA)、ジャガー、アウディ、日産、BMW、メルセデス、ポルシェと8社もの世界的自動車メーカーが凌ぎを削ることになる。ちなみに世界最高峰のモータースポーツと言われるF1に純粋な意味でのワークス・チームとして参戦するのは、メルセデスとルノーの2社のみだ(フェラーリはレーシングチームの方が市販車製造事業よりも大規模なチームとして、ワークス・チームに数えない)。

Text by Yuichi Mukai