ゴーン氏逮捕、ルノー日産アライアンスのゆくえは?

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 ケリー・ブルー・ブックのアナリスト、ミシェル・クレブス氏は、ルノーと日産の関係が厳しく見直される可能性はあるものの、既に両社は深く結びついており、袂を分かつことは困難であろうと述べた。そしてクレブス氏は「私はアライアンスが崩壊するとは予測しない」と語った。

 内燃機関を動力とする車やトラックを開発し続けているのと並行して、自律走行車や電気自動車に対する前例のない研究開発費の高騰に直面している自動車業界では、より一層の統合が進むだろうとクレブス氏は言った。

 ロンドンを拠点とするCMCマーケッツの首席市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は、「世界的な規模の自動車部門を築き上げた人物の行動を調査することが引き起こす混乱は、世界最大の自動車メーカーの1つである日産にとって最も望まない事態だ」と語る。

 強気の姿勢を貫くゴーン氏は、苦境にあえぐ2つの自動車メーカーの業績を回復させた手腕によってかつては自動車業界の救世主と見なされていた。ゴーン氏は2006年に、自動車業界の巨人であるグローバル企業、ゼネラルモーターズとの連携さえも提案したことがある。

 バーンスタインのウォーバートン氏は、かつて強大な威力を誇ったゴーン氏の評判も長年にわたって衰退しつつあると記し、一方で、クレブス氏はたとえ大幅な値引きやレンタカー会社への大量販売など「好ましからざる行為」に頼ったとしても、日産はゴーン氏が掲げたアメリカでの市場シェア10%獲得の目標を決して達成できないだろうと語った。

 日産の西川社長は、同社は困難を乗り越えて事業に取り組むことを約束すると繰り返し述べた。一方で、ルノーは声明の中で「アライアンスにおけるルノーの利益を全力で守り抜くこと」を明らかにした。

By TOM KRISHER and ANGELA CHARLTON, Associated Press
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Text by AP