ピンタレストの独自戦略は功を奏するのか? SNSの欠点を避け、緩やかに成長

AP Photo / Ben Margot

 もしあなたがインスタグラムでまだ訪れたことのない国々で過ごすバケーションの夢を見て、フェイスブックで大勢の親戚が政治について議論を交わす感謝祭の様相を眺めているのだとすれば、ピンタレストは、1人でゆったりとソファーに深く身を沈め、テレビで日曜大工の番組を見たり、古いグルメ雑誌のページをぱらぱらとめくってぼんやり記事を眺めたりするような場所といえる。

 ピンタレストは、これまで長い間、ソーシャルネットワークとしてのレッテルを貼られることを避けてきた。そのため、他のライバルたちが急成長する方法として用いた方法、つまり、より多くの友達や知人をフォローしたり、グループやコミュニティとの関連づくりを急かしたり、というアクションをユーザーに押し付けようとしない。このことは、ピンタレストがツイッター、インスタグラム、もしくはフェイスブックよりも小規模であることを意味しつつ、デマ情報、いじめ、嫌がらせなどに関するユーザー間で発生しがちな問題の多くを回避してきたといえる。

 ピンタレストの共同設立者であり、プロダクト責任者であるエバン・シャープ氏はインタビューに対し、「ソーシャルメディアは、自分の行動を他の人々と共有するための場だ。しかし、ピンタレストは何かを共有する場ではない。未来の夢やアイデア、やりたいことを自分のためにブックマークする場だ」と述べた。

 つまりピンタレストは、友達を増やしたり、知人が何をやっているかを見るように促したりしない。他のユーザーも書き込めるコメント欄はあるが、必須というわけではない。その気になれば、ピンタレストを自分独りで楽しむこともできる。

Text by AP