ケイティ・ペリーは280万減 ツイッターのアカウント削除でセレブのフォロワー大幅減
ツイッターがまた思い切った行動に出た。今月11日付けの同社ブログによると、過去数年「アカウントによる行動(パターン)が突然変化したアカウントをロックしてきた」同社は、その都度アカウント所有者にコンタクトするなどして問題解決を図ってきた。
しかし、「アカウントの持ち主が身元の確認を怠ったり、パスワードの変更を行わなかったりした場合」、アカウントはログインが出来ない状態のままロックされ放置されていたという。そして先週12日、ツイッターは数百万にも上るそれらのアカウント削除を開始したのである。
◆セレブが大量のフォロワーを失う「被害」に
NBCニュースによる12日の報道によると、ツイッターがこれらのアカウント削除を実行したことから、思わぬところにその「被害」が出たことが明らかになった。アカウント削除により、ハリウッドセレブや各界有名人の多くが大量にフォロワーを失ったのである。
同記事によると、ツイッター上で最もフォロワー数の多い歌手のケイティ・ペリーは280万人のフォロワーを失った。また、バラク・オバマ前米大統領が230万人、ドナルド・トランプ大統領は30万人、それぞれフォロワーが減少したという。また13日付けのTIME(電子版)によると、テイラー・スウィフトとジャスティン・ビーバー、リアーナ、レディー・ガガもそれぞれ200万人のフォロワーを失う結果となった。
◆フェイクアカウント削除の狙いは「信頼を得るため」
ツイッターによると、今回削除されたアカウントは一般的に「スパム」または「ボット」というわけではないようだ。同社はアカウントがロックされる状況として、前述のとおりアカウントの行動パターンが変わった場合のほか、「大量の迷惑なリプライやメンションをツイートした場合」や「紛らわしいリンクをツイートした場合」などを挙げている。「ボット」アカウントの場合は、オープンしてすぐにツイッターの最新技術で突き止め、自動的にアカウントを削除することが可能であるという。
また同社ではこれらのアカウントについて、「実在する人物によって始められた場合が多いが、現在も開始時と同じ人物がそのアカウントをコントロールしているかどうかは確認できない」と述べている。ツイッターを始めてはみたがやがて興味がなくなり、今はまったく利用していないという「幽霊アカウント」の場合もあるかもしれない。
ツイッターは今回のアカウントの大量削除について、「正確さと透明さが、公共の会話の場としてのツイッターの信頼度を高めると信じる」と述べている。実際、経済情報サイトMarketWatchによると、ツイッターがアカウント削除を実施した7月12日付けで、同社の株価は2%上昇したという。ツイッターのビジネスとしての信頼度が高まった同時に、同サイトによると、同社がこれらのアカウントを察知するための優れた人工頭脳(A.I.)を利用している点も評価された。
2016年の米大統領選ではフェイスブックやツイッターが「フェイクニュース」流布の場として悪用されたことが明らかになっている。今年11月の米中間選挙を控え、ツイッターでは二度とこのプラットフォームが悪用されないよう、今から着々と準備を始めているのかもしれない。