運転手付き高級車の世界とは? ショーファードリブンという贅沢

© Rolls-Royce

 ショーファードリブン(chauffeur-driven)とは、企業のオーナーや政府の要人といったVIPを乗せ、専門の運転手がドライブするという高級車。そもそも「ショーファー」とはお抱え運転手という意味で、かつては貴族などの使用人として屋敷に住み込み、馬車の運転から馬の世話、馬車のメンテナンスを一手に引き受けていたことに由来する。

 現在のショーファードリブンを定義するなら、オーナーの座るリアシートの快適性が最優先されたドライバーズカーとは対局のクルマを意味する。その究極はストレッチリムジンと呼ばれるホイールベースを伸ばしたセダンだ。ハリウッドの映画祭で俳優が乗ってくるダックスフンドみたいな長いクルマと表現すれば理解できるだろうか。

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 そのショーファードリブンの中でも究極といえば世界を代表する高級車ロールスロイスだ。そのなかでもゴースト・エクステンデッド・ホイールベースは、全長5,400mmの標準モデルよりさらに長い5,570mm。標準モデルより170mmも長い3,465mmを誇る。センターピラー以降をストレッチしているため、すべてリアシートの居住空間の拡大に与えられている。

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 まさにメーカー純正のストレッチリムジンではあるが、実はシルバーシャドウ時代からロングホイールベースは存在していた。後席スペースのプライバシーを確保する前席直後にパーティションを備えるためでもあった。

 ロールスロイスに次ぐ高級車であるベントレーは、実は元々はスポーツカーメーカー。経営不振でロールスロイスの傘下に入り、シャーシやエンジンを共有し兄弟車のようなポジショニングであった。

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 その後、VW傘下に移ってからスポーツカーメーカーとしてのキャラクターが色濃くなっている。それゆえフラッグシップのフライングスパーやミュルザンヌもメーカー自身がスポーツ性を謳っているが、ラインアップにはエクステンデッド・ホイールベースをしっかりと用意している。

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Text by 小野 真人