グローバル人材の6割「AIに仕事を奪われない」と予想

Leremy/shutterstock.com

 グローバル人材の人材紹介会社ロバート・ウォルターズは、英語力と専門スキルを活かし国内の第一線で活躍する会社員から「AI脅威論」への考えを聞いたアンケート調査の結果を発表した。

◆会社員の6割、自分の仕事は「AIに奪われない」と予想
 外資系企業、グローバル展開の進む国内大手企業で働くバイリンガル人材を対象とした当アンケート調査に回答を寄せた293人の会社員のうち、61%が「自分の仕事がAIに奪われる時が来ると思うか?」の問いに「いいえ」と回答した。

◆上司層・高プロ vs 若手層・一般職 年収差にも見られる意識の違い
 年収別に比較すると、高プロとも呼ばれる年収1,000≧1,500万円の会社員では「いいえ」が73%に上った一方で、若手層・一般職人材など年収450万円未満の会社員では「はい」の割合が54%と過半数に達した。専門スキル・経験値が豊富な上司層・高プロ人材は、AI・熟練した専門人材それぞれの得意・不得意への理解も深いことから漠然とした不安感の蔓延には至っていないものと考えられると、ロバート・ウォルターズは分析している。

◆危機感を抱く会社員:98%が「スキルアップで克服したい」
 「AIに自分の仕事が奪われる時が来ると思う」と答えた回答者(全体の39%)が取り組みたいと答えた対策では、「何もしない」と回答した割合はわずか2%で、「ハードスキルを学びなおす」(10%)、「足りない資質・ソフトスキルを磨く」(27%)「その両方に取り組む」(55%)と98%がスキルアップでの克服を目指している。

 磨きたい資質・ソフトスキルは1位「課題発見・解決能力」(33.7%)、2位「創造力」(28.9%)、3位「コミュニケーションスキル・交渉力」(26.5%)という結果だった。学びなおしたいスキルは1位「経営」(32.1%)、2位「情報・データ分析」(26.9%)、3位「マーケティング」(17.9%)だった。「AIに仕事を奪われる」脅威を感じている会社員(39%)の間でも、AIが不得意とする部分、人間の能力が高い価値を供給できる部分を自ら見つけ、スキルアップしようという能動的な姿勢がうかがえる結果と分析している。

Text by 酒田 宗一