犬を連れていける職場はストレスを減らしてくれる チームワークにも好影響

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 ペットは飼い主にとって癒しとなる存在だが、職場においては従業員のストレス軽減や協調性を促進させてくれるという。ペットフレンドリーな職場はアメリカの大企業にも注目される一方、日本にも「ペット同伴制度」があるという。

◆犬のいる職場は低ストレス
 国際ジャーナル「ワークプレイス・ヘルス・マネージメント」にて、職場における社員の犬の存在が、社員のストレスや組織の印象にどのような影響をもたらすか調査された。調査で観測されたのは、職場に犬を連れてくる社員、犬を飼ってはいるが職場には連れていかない社員、犬を飼ってもいない社員の3つのグループで、グループ間で知覚されたストレスなどが検証された。

 調査で明らかとなったのは、どのグループも一日の始まりには同レベルのストレスが観測されたにも関わらず、日が進むにつれて犬を職場に連れてくるグループにいた社員のストレスだけが軽減したのである。一方で残りの2つの社員のグループは一日の終わりには、犬を連れてきた社員をはるかに上回るストレスが観測されたという。

◆社員の協調性アップにもつながる
 ミシガン大学の心理学者達は、職場にいる犬の存在が社員のチームワークにいかなる影響を及ぼすかについての研究結果を公表した。

 研究では4人組のグループ二組に様々なタスクを依頼し、片方のグループにだけ人懐こい三匹の犬が与えられた。そうして明らかとなったのは、犬のいるグループの方が言語によるコミュニケーション、スキンシップ、協調性がより高い水準で実行されたということである。

 確かに犬は人間を大いに癒してくれる存在である。職場のギスギスとした人間関係もペットを前にしたら、解消してしまうのかもしれない。

◆名だたる大企業や日本でもドッグフレンドリーな職場に脚光
 ドッグフレンドリーな職場は小規模な会社だけに限られたものではない。CNNによると、アマゾン社やグーグル社などの大企業も職場に犬を連れてくることを歓迎しているのだという。

 またペットを職場に持っていくのはアメリカだけに限らない。ニュースサイト日刊キャリアトレックは日本に存在する「ペット同伴制度」について伝えている。同サイトにて紹介される日本企業はいずれもペットへ高待遇だ。

 ペットフードなどを扱うマースジャパンリミテッド社は「ペット同伴制度」を実施しており、同社の会議室にはキャットウォークが設置され、獣医師まで在籍しているという。またUGペット社には託児所ならぬ託犬スペースがあるという。ただこうした制度に率先的なのはいずれもペットに関連した企業が多いが、日本でもペットと関係のない企業が同様の制度を採用する日もそう遠くないかもしれない。

 研究結果のように、ペット同伴には職場をストレスから解放する効果が期待され、今後はペットを職場に連れて行くことに寛容な企業が増えていくのかもしれない。また現代社会においてはペットを家族同然として扱う人も多い。こうした人にとっては朗報だといえるだろう。

Text by Yota Ozawa