仕事が自動化で10倍速に!? 業務を自分仕様にカスタマイズできるツール「IFTTT」

 今ではスマートフォンなしでは生活できない程に、世の中は便利になった。皆さんはどれだけのアプリケーションを管理していますか。多様なアプリケーションはそれぞれの強みを生かして、例えばGmailにはできないけど、Evernoteにはできること。しかし、同じテキストをそれぞれのアプリケーションに保存しておきたい。エンジニアであれば、これに合わせたプログラムを組むこともできるが、そうでなければなかなか至難の業である。

 そんな条件をクリアにしたサービスはIFTTTだ。これは「If This Then That」を略称したものであり、さまざまなサービスやデバイスを相互にリンクできるシステムである。

◆サービスを連動させる仕組み「IFTTT」とは
 IFTTTの使い方は難しくない。まずは、公式ホームページでメールアドレスとパスワードを入力し、アカウントを作成する必要がある。同ページから、自分が持っている各アカウントを接続すれば、レシピを使うことができるようになる。レシピは、アプリケーション間を繋ぐ命令のことを指す。

 例えば、「もし、明日の天気予報が雨となっていたら(トリガー)」、「その情報をメールに送るようにする(アクション)」といった具合だ。このレシピは、デフォルトで用意しているものから、自分自身で作成することも可能である。レシピを作るのは、簡単だ。ページの指示に従って、IF THIS THEN THATにおける、トリガーとなるTHISとアクションに当たるTHATを当てはめるだけである。

 IFTTTを使えば、今までの業務を自動的にカスタムしていくことができる。例えば、取引先の近くを通り過ぎたら(トリガー)、メールで通知がくる(アクション)。スクリーンショットをしたら、Dropboxのフォルダに振り分ける。もちろん、仕事に関わる業務だけでなく、プライベートでの利用も一般的だ。Instagramで#twで投稿をすると、Twitterでも自動投稿を促すことができる。作られたレシピはIFTTTのサイトにて共有され、自身で作らずとも数多くのレシピを見つけることができる。

◆「IFTTTとIoT」サービス間の連携が発展していく先
 このサービスの一方がリモコンとなり、もう一方のサービスを動かす。こうした概念で似たような仕組みに聞き覚えはないだろうか。IoT(Internet of Things)である。IoTでは、主にスマートフォンがデバイスコントローラとなり、スマート家電やウェアラブルを動かすような仕組みになっている。

 IFTTTの可能性は、いまIoT業界に向けられている。例えば、Nikeと連携し、Nike+チャンネルを展開した。ここでは、その日、目標の距離を走ったらiPhoneの通知を行う、1週間のNike fuelに達したらツイートを行うなどが使える。今後、この範囲は他企業との連携を通して、更に広がっていくことが見込まれる。

◆自分が使っているサービスは自分なりにカスタムする需要の高まり
 業務をスマートに行うことができるIFTTTの本質は、独立したモノやサービスを連結することにある。今まで以上に便利になると同時に、把握しなければならないモノやサービスはより一層増えていくことが見込まれる。

 スマートフォンが登場した当時のように、私たちは多くの情報を与えられた時に、それを自分が使いやすい形にカスタマイズする必要が出てくる。IoTや、今後使うサービスを私たちが自分の為に使っていくという点で、IFTTTのサービスは鋭い。なくてはならないインフラになる予感がする。

Text by 山田俊輔