政府、「トイレ大国日本」を積極アピールへ NYT紙も熱弁、温水洗浄便座のすごさ
日本の温水洗浄便座は、中国人旅行者が争って購入していく例が示すとおり、海外、特にアジア各国での認知度は高くなっている。政府は、温水洗浄便座などの輸出増を図って、海外への売り込み強化の取り組みに着手するようだ。また、清潔で高機能という日本のトイレならではの、観光資源としての側面も、今後重視していくようだ。日本の「ハイテクトイレ」、そして「トイレ文化」との出会いは、多くの外国人の目に、依然として新鮮に映るようである。
◆政府が日本のトイレの世界進出を後押し
政府の取り組みは、読売新聞が11日報じたもので、翌12日には同新聞が発行する英字新聞ジャパン・ニューズが報じた。それによると、政府は、成長戦略にトイレを活用することを検討中であるという。輸出促進のため、家電製品の国際規格の取得を支援することや、日本のトイレの快適さを海外にアピールする動画の作成、国内の国際空港に最先端のトイレを整備することなどが例として挙げられている。
この報道を受けて、AFPは、トイレに関する日本の優れた技術を売り込むため、日本政府が世界的キャンペーンを始めようとしている、と伝えた。デジタルメディア「Quartz(クオーツ)」は、日本政府は、日本のハイテクトイレが世界を征服することを望んでいる、と伝えた。
AFPは、観光資源としての面にも注目して、日本政府は高級なハイテクトイレを利用して、旅行者を引き寄せたがっている、と報じた。日本を初めて訪れた外国人が、その日のうちに、日本の技術の典型であるハイテクトイレを褒めちぎらないことはほとんどない、と語っている。
◆日本のトイレ文化を海外からのお客様に
政府は、国際空港への最先端トイレの整備を検討しているとのことだが、その先行的な例が、TOTOが成田空港に先月オープンした「ギャラリーTOTO」だろう。そこでは、同社の「ウォシュレット」を実際に使用することができる。Quartz、および先月のワシントン・ポスト(WP)紙の記事が取り上げている。
日本は、訪れた外国人に、世界一流の日本のトイレ文化を経験してほしいと思っている、とWP紙は語る。この「ギャラリー」について、日本は、訪れる人たちに、自国の技術と、丁重なおもてなしの両方を印象付けるため、これまでにないやり方を試みようとしている、と語っている(記事はオープン前のもの)。
この展示は、外国人旅行者に「日本のトイレ文化」と技術を経験する機会を提供するもので、海外販売拡大に役立つことも期待している、とTOTOが語ったと記事は伝える。
記事は、日本のトイレ文化は、注目に値するものだ、と断言している。公共の場所のトイレがとても清潔であることや、ベビーチェアや傘用フックが設置されていること、子供用の小さな便器や低い洗面台が用意されていることなど、配慮が行き届いていることを伝えている。また家庭では、高機能なトイレが普及していると伝える。そして、日本人が海外旅行をするときには、どう思わざるを得ないか、と逆に想像している。
◆NYT紙で温水洗浄便座の魅力を熱弁する記事
インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ(INYT)紙によると、アジアや中東、またヨーロッパに比べて、アメリカでは温水洗浄便座の普及は進んでいないようだ。おそらく大多数の、温水洗浄便座を使用したことがない読者に向けて、記事はその魅力を熱く語っている。
ハイテクな、便座の温かい、温水洗浄便座のせいで、普通のトイレではもうすっかり駄目になってしまったと私が言うと、大げさに言っているように聞こえるかもしれないが、そうではない。あなた方が温水洗浄便座なしでどうやっているのか、私には分からない、と記事は切り出している。
温水洗浄便座は、もう何十年も世界で広く利用されているが、アメリカの市場には、やっと最近、じわじわ入りつつある、と記事は語る。そして、遅くてもないよりはましだ、この便座はすばらしいものだからだ、と語っている。
温水洗浄便座の知識がない読者のために、便座暖房と温水洗浄の2つが基本機能だと説明している。この基本機能だけでも、十分に贅沢な気分になれる、と記事は語る。そして、ひとたび使い始めると、温水洗浄便座のないトイレには決して行きたくならなくなるだろう、と語っている。
2年前にホテルで初めて温水洗浄便座を体験した際には、トイレから出たくなくなった、と筆者は語っている。その後すぐに自宅用に購入したそうだ。今では、スマートホンと並んで、なくてはならない、お気に入りの機器になっているという。
アメリカの温水洗浄便座販売サイトの運営者は、同紙に、「たしかに、これが変なものだと考える人たちはいます」と語っている。しかし、一度試せば意見が変わることを確信しているので、最近、サイトでは返金保証を始めたという。「商品が返品されたら、再びそれを売ることはできません。ごみにしなければなりません」「けれども、試してみれば、皆大好きになるのです」と語っている。