女性専用「泣ける部屋」、海外メディア賛否両論 “また変なサービス”“男も泣きたい”
東京にある三井ガーデンホテル四谷が、「女性のための『泣ける部屋』プラン」を期間限定で提供している。女性に思う存分に泣いてもらって、ストレスを発散してもらおうという趣旨だ。この件を取り上げた各国のメディアは、賛否両方の論調で報じている。
◆女性をターゲットにした企画
1日1室限定で提供される部屋には、「泣ける映画」や「泣けるマンガ」が用意されており、さらには涙を拭くための高級ティッシュ、腫れた目を癒すための蒸気アイマスクなどがプレゼントされる。
このプランは、ホテルチェーンの三井ガーデンホテルズが開業31周年を記念して企画した「ホテ活女子プロジェクト」の一環だ。三井ガーデンホテル四谷自体も、女性が中心となって企画や設計などを統括してオープンさせたホテルだ。
男性の利用者のイメージが強いビジネスホテルだが、女性をターゲットとしたプランを打ち出すことで、女性の利用者を増やしたいという意図があると思われるが、「女性のための『泣ける部屋』プラン」が大きく取り上げられることで、海外から思わぬ反応が出てきている。
◆関心を示すアジア、批判的な欧米
イギリスのBBCやアメリカのUSAトゥデイ、シンガポールのMyPaper、中国国際放送局、南アフリカのiAfricaほか、韓国、スウェーデン、ブラジルなど、世界各国のメディアがこのプランを取り上げた。
面白いことに、アジアと欧米では評価が割れているようだ。アジアでは、興味を示すような記事内容だが、欧米では「ヘンな日本の最新ニュース」といったような受け止め方をしているものが見受けられる。
その極端なものがシンガポールのMyPaperとイギリスのテレグラフの記事だろう。MyPaperでは、基本的にはExciteニュースから引用しながら紹介しているが、プランの内容を詳しく伝え、関心の高さを示している。
また、最後には「思いっきり泣けば、生まれ変わったかのようにリフレッシュ&リセットできる」というExciteからの言葉を述べ、読者の興味を誘うような締めくくり方だ。
一方のテレグラフでは、ひと通りの紹介をした後に、「泣ける部屋」は「日本の変わったホテルやカフェ」シリーズの最新作であると説明。ラブホテルやカプセルホテル、「添い寝屋」と呼ばれる、女性が男性客に添い寝するカフェ、猫カフェやうさぎカフェなどのペットカフェ、ロボットや監獄をテーマにしたテーマ・レストランと一緒くたの扱いである。
◆「女性だけ」のサービスに異議
テレグラフのような紹介の仕方でなくとも、英米のメディアに顕著なのは、「weird」、「bizarre」などの「へんてこな」という意味の言葉で述べられていることだ。
特に見られるのは、「女性専用」ということに異を唱えるもの。USAトゥデイは、「6000万人以上いる日本人男性の中には悲しく感じている人もいるだろうが、彼らが悲しみを示すのはよその場所」と述べ、南アフリカのiAfricaは「男性は予約できないようだが、それはちょっと不公平というものではないだろうか。男性でも時には存分に泣くことが必要なこともある」と述べている。
女性への特別サービスを歓迎するアジアと、男性も泣くことを受け入れ、男女の差なくサービスを求める欧米の差が出た形だろうか。