日本のマック、今日からポテトはSサイズのみ “世界の終わり”…海外ネット民も衝撃
日本マクドナルドは、「マックフライポテト」の販売を17日以降、全店でSサイズのみにする。アメリカ西海岸で港湾施設の労使交渉が長引いて荷役作業が遅れ、材料を安定的に確保するのが難しいためだ。
ポテトのMサイズがついたセットメニューは、Sサイズに切り替えられ、価格は50円以上引き下げられる。
数年前にはポテト食べ放題を実施した店舗もあった日本マクドナルドであるが、現在のポテト不足の背景には何があるのか。
◆冷凍ポテトの大半はアメリカから輸入
日本は、今回の労使交渉問題から最も影響を受けた地域の一つ、とフィナンシャル・タイムズ紙(FT)は指摘している。日本が、冷凍じゃがいもを主にアメリカから輸入しているためだ。日本マクドナルドは12月発注分の55%しか受け取ることができなかった、とウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は報道している。
同社は緊急対策として、冷凍ポテト1000トンは航空便で、1600トンは東海岸経由の船便で調達したが、十分な量は確保できていない。年末年始の繁忙期を前に、販売量を制限することにより、品切れになることを防ぐ狙い、と海外メディアは報道している。
アメリカがダメなら、他の国から輸入すればと思うかもしれない。しかし、マクドナルドは、アメリカ以外の国にフライドポテトを製造する設備を持たないため、他の国から調達することはない、とWSJは報道している。
◆賞味期限切れチキンの次はポテト不足
賞味期限切れ鶏肉の問題からまだ立ち直っていない日本マクドナルドにとって、今回のポテト不足は「泣きっ面に蜂」となったようである。円安で輸入食材の値段が上昇する中、航空便などの緊急策によりコストはさらに上がる、とFTは指摘している。
7月から9月までの期間に94億円の純損失を計上した同社は11月、10ヶ月連続の販売減少を報告した。通年では、11年ぶりの損失となる、170億円の純損失を計上すると予想されている(WSJ)。
◆ポテトがないなら寿司を食べたら
日本マクドナルドのポテト不足に関する報道には、海外ネットユーザーからも大きな反響があった。ガーディアン紙には、「世界の終わりだ!」、「悲劇だ!現代社会でこんなことが許されていいのか」など衝撃をあらわにしたものや、他国からの輸入を勧める声があった。一方、ポテトがないなら寿司を食べればいい、など皮肉る意見も寄せられた。
また『kotaku』には、日本のマクドナルドはポテトがSサイズしかない時もあれば、食べ放題できる時もあるとの声が、当時の写真付きで寄せられ、多くの賛同を集めた。
マクドナルドのポテトMサイズ、Lサイズの販売が再開される予定は未定である。