ホンダ、最大40億円罰金の可能性…タカタのエアバッグリコール問題、米で拡大
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は26日、タカタ製エアバッグの不具合が確認された自動車を全米でリコールするよう、タカタと、ホンダなど自動車メーカー5社に命令した。これに応じない場合は制裁金を課すことも併せて発表した。
◆ホンダの対応
今回のエアバッグリコール問題で、最も大きな影響を受けているのがホンダである。ホンダは過去11年間で1700件以上の死傷事故関連情報の報告漏れが発覚し、米当局による調査を受けているとアイビータイムズは報じている。これは全体の60%に相当する数で、またこれらのうち8件が、タカタ製エアバッグの破裂事故であったという。
ホンダの伊東孝紳社長は「色々な不手際が重なり申し訳ない」と陳謝した。そのうえで、「我々の考えと米当局が求めることに違いがあった。データ入力の際のミス、記号化する際のミスなど、現場の管理ミスが多かった」と述べ、隠蔽ではなく、単なるミスであると釈明した。また、エアバッグに関する事故8件についても、別の方法で報告している、とホンダは説明している(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)。
NHTSAは、自動車メーカーに対し、車の構造的な欠陥などが原因と疑われる死傷事故について、情報を速やかに報告する「早期警戒報告」を法律で義務付けている。事故を分析し、問題の芽を早くつもうという米国独自の仕組みだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ホンダには最大3500万ドル(約40億円)の罰金が課される可能性があるという。
◆国土交通省の対応
日本国内の対応についても、ニューヨーク・タイムズ紙など海外メディアは注目している。今年9月末時点で、日本国内での対象車は約236万台。うち99万3172台が未修理で、修理率は約58%にとどまったという。
国土交通省は25日、タカタのエアバッグリコールに関し、専門委員会を設置した。さらに太田国土交通相は「出来るだけ早く車を修理することが最も重要だ」と述べ、自動車メーカー10社に、対象車種の所有者への周知と修理を急ぐよう指示したとしている。また、ホンダに対しては、エアバッグを含むすべての事故について再調査するよう指示したという。