不調マクドナルド、“豆腐ナゲット”を発売 ベジタリアン化で起死回生?と米紙も注目

 使用期限切れ肉や生産日の改ざんなどで問題になっている中国の「上海福喜食品」から食材を仕入れていた日本マクドナルドは30日、新商品「豆腐しんじょナゲット」を発売した。この新商品を複数の米メディアが取り上げている。

【豆腐しんじょナゲットとは】
 豆腐しんじょナゲットとは、豆腐をメインにすり身、枝豆、ニンジン、玉ねぎなどから作られているようだ。値段は4個249円で、昨日の30日から期間限定で販売されている。

 広報担当者によると、肉ではないので食感が少し異なり、より柔らかく、鶏肉より低カロリーだという。鶏肉は全く含まれておらず、かつ国内の工場で作られるということで、安全性を前面に押し出している。

 そもそも「しんじょ」とは和食の一つで、白身魚などをすりつぶしたものから作られ「ハモしんじょ」「エビしんじょ」「カニしんじょ」など、メインとなる食材に「しんじょ」をつけて呼ばれることが多い。この和食のテイストを取り入れた「豆腐しんじょナゲット」は、海外のマクドナルドで販売されるかどうかは現在のところ不明のようだ。ロサンゼルス・タイムズ紙によると、米マクドナルドはアメリカでの豆腐しんじょナゲットの販売についてコメントしていないという。

 なお、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、「豆腐しんじょナゲット」は上海福喜食品のスキャンダルが明るみになる以前から計画(商品開発)されていたという。

【売上半分に落ち込むマクドナルドの業績 豆腐ナゲットに望みを託す?】
 29日、日本マクドナルドの発表によると、1-6月期の連結売上高は前年同期比6.7%減の1210億円、営業利益は50.3%減の35億1200万円、経常利益は56.7%減の32億3300万円、当期利益は59.4%減の18億5200万円となった。

 鶏肉問題のため、今のところ通期の業績予想は未定だが、開示可能になり次第リリースする予定のようだ。このような状況下で、豆腐しんじょナゲットの発表・発売は朗報であり、歓迎すべきニュースであると、クリスチャン・サイエンス・モニター(CSM)紙は報じている。

 また、CSM紙は肉パニックの真っただ中での豆腐しんじょナゲットのリリースを機に、日本マクドナルドはベジタリアン化を進めるのではないかと伝えている。すでにヘルシーな野菜を中心としたサンドイッチを提供しているサブウェイなどが、日本で一定の成功を収めている例も挙げている。

【マクドナルドだけじゃない、KFC、スターバックス、バーガーキング…にも】
 CSM紙によると、上海福喜食品から食材を仕入れていたのはマクドナルドだけではなく、ケンタッキーフライドチキン、スターバックス、バーガーキング、パパ・ジョンズ(日本未上陸のピザチェーン)が含まれているという。

 このスキャンダルで広範囲にわたってリコールを引き起こし、5人が逮捕され600近い飲食店が休業や販売停止に追い込まれたようだ。日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は29日の記者会見で、「大切なお客に不安を与え、心配をおかけしたことを深くおわびします」と陳謝したものの、「(問題の食材が日本向けに出荷されたかどうか証拠がないため)返金については今のところ考えていませんが、事実が判明したら対応を検討します」と語っている。

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Text by NewSphere 編集部