アパレル世界一目指すユニクロ、ZARAの本拠地スペインに進出 “ZARAにとって脅威”と地元紙

 昨年ユニクロがスペインのバルセロナに1号店を開設すると発表してからスペインではそれが紙面でも取り上げられた。そのテーマの主体は「ユニクロがZARAを追い越して世界のNo.1のアパレル企業になれるのか」という問いかけである。ユニクロ創業者である柳井会長は「2020年には売上5兆円で世界一のアパレル企業になる」と宣言している。

【ユニクロのバルセロナ出店】
 スペインのアパレル情報誌「tiendeo」によると、ユニクロはバルセロナ市内に先ず1店舗と、バルセロナの周辺都市に10店舗構える計画である。スペイン進出で何故バルセロナを選び、首都のマドリードを選ばなかったのか。その理由はバルセロナがスペインを代表する観光都市であり、ヤングカジュアルの流行を生む都市だからである。この地からはMANGOやDESIGUALなどの世界的アパレルブランドが生まれている。

 バルセロナでファッションが賑わう地区はパセオ・デ・グラシア通りとプラサ・デ・カタルーニャに面した区域に集中している。ユニクロは今回正にこの区域に店を構えることになっている。

【地元紙の評価は】
 スペイン経済紙ネゴシオス1000は、他国のユニクロ店舗を訪問した、ZARAの株主であるビクトリア・ベルナル女史の、以下のようなコメントを紹介している。

「ユニクロは幅広い層を対象にしているし、色彩も豊富である。中国で生産していたとしても品質が良い。しかも品質が良くて価格が手ごろである」「マンモス店を開くことにも躊躇しない。アパレルのどのライバル店も追い越せるだけの要素をもっている」

即ち、ZARAにとって脅威となりうる相手だと、同紙は結論付けている。

【スペイン紙面の柳井正会長】
 スペインの多くの紙面は、1984年創業のユニクロの柳井正会長のキャラクターが今までの日本人特有の控え目な性格とは異なると記している。

 スペインの代表紙であるエル・パイス紙では「柳井は物事を率直に、しかも明確に話すことを信条としている」とし、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の柳井会長のインタビューを取り上げて、「勇気を持って思っていることを率直に表現しないさい、と人に言うんだけれども誰も相手にしてくれない」「企業は成長するか消滅するかの2つしかない」との氏の発言を記事にしている。

 また、同紙は元社員による、ユニクロの新入社員の50%は3年以上もたない、奴隷のような過酷な勤務を要求される、との証言を報じている。

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Text by NewSphere 編集部