日本人の曖昧な表現、ビジネスで有利? 海外メディアがその理由を指摘
国際化が進む今日、海外企業と取引したり、M&Aにより親会社や子会社が海外企業であるため、日常的に外国人と接する日本人ビジネスマンは少なくない。日本人ビジネスマンは真面目で礼儀正しいとの評判が高い一方で、日本独特のビジネス習慣や文化に驚かれたり、誤解されたりすることもあるようだ。
【礼儀を重んじ、はっきり断らない】
一般的に西洋人ビジネスマンは、交渉の過程でお互いが自己の利益を主張するのは当たり前と考え、激しく議論を交わす中、落としどころを探っていく。一方、礼儀を大切にする日本人ビジネスマンは、人間関係が崩れることを恐れ、曖昧な表現を好み、はっきり断らない。
曖昧な表現にも利点がある。交渉の時間を稼ぐことができるため、相手の要求をじっくり考慮し、その間に人間関係を築くことができる、と海外サイト『David Clive Price』は指摘している。また、はっきり断らず、相手の論議を徹底的に論駁しないことにより、将来に交渉の余地を残すことができる、と米ニュースサイト『ビジネス・インサイダー』も述べている。
【意思決定が遅い】
海外のビジネス社会では、交渉担当者にある程度の決定権が付与されている。担当者同士がある程度の地ならしをしてから次第に権限の大きな上司との交渉に移る日本人ビジネスマンの方法は、時間の浪費と思われるようだ。
日本企業を6回訪問すると、3つのグループに分かれた18人に会わされ、同じことを6回言わなければならない、と『ビジネス・インサイダー』の別の記事は述べている。日本人は一般的に、それぞれ専門分野を持つメンバーから成るチームで交渉する。また、交渉中の質問は情報収集が目的で、正確さを期すために同じことを何度も繰り返すことも厭わない。最終決定は本社に任される。その結果、意思決定が遅いとの印象を与えるようだ。
【チームが大切】
一方で、日本企業の成功の鍵は、チームプレイにあるとも考えられている。個人ではエネルギッシュな西洋人が会社内ではバラバラであるのに対し、日本人ビジネスマンは内部業務を調和と協力の精神で行う能力がある、と同サイトは指摘している。
また、日本企業は双方の信頼関係を大事にする。ビジネスランチやディナーは知り合う良い機会で、決して仕事後の誘いを断らないように、と『David Clive Price』は薦めている。たくさん酒が飲めなくても、寿司や刺身が好きではなくても、エルトン・ジョンやライザ・ミネリのようにカラオケが歌えなくてもいい。参加することで、長期的な信頼関係を築くことができるからだ。
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