セブンのコーヒー、1年強で累計5億杯!? 最高益更新に貢献で、米紙も注目

 4月からの増税の影響で売り上げが落ち込む中、セブン&アイ・ホールディングスのコンビニチェーンであるセブン・イレブンは積極出店を続け、収益をけん引している。特に「セブンカフェ」の名称で提供するコーヒー販売が好調だ。海外メディアは売り上げけん引の主力である、セブン・イレブンのコーヒーについて報じている。

【セブン&アイ好調が続く】
 日本経済新聞によると、セブン&アイは3期連続で最高益を更新した。ロイターによると、2月28日までの年度でセブン&アイの営業利益は3396億6000万円、売り上げは12.8%増で5兆6300億円となった。今後は利益率の高いPB商品や経費削減で、業務利益の押し上げを図るという。

 セブン&アイ・ホールディングス村田紀敏・代表取締役社長は、増税の影響はほとんどないという見方を示した。スーパーマーケットではなくコンビニで日用品の買い物を済ませる利用者を見込み、3月1日以降新たに1,600店舗のコンビニを開く予定だ。

 村田社長は、「4月の時点では前回の増税時と同じように落ち込んでいるが、6月頃には元に戻るだろう」との見通しを示した。一方で、政府の対応の遅れが消費を悪化させる可能性を指摘している。

【コンビニのコーヒーがけん引力に】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下、ウォール紙)によると、セブン&アイが1年以上前にコンビニエンスストアにコーヒー自動販売機を設置して以来、累計販売数は5億杯弱にもなる。村田社長は、「皆に親しまれる価格帯で挽きたてのコーヒーを提供することで、売り上げ利益を押し上げた」と語る。

 米で、大手スターバックスに対抗して低価格コーヒーを投入するマクドナルドやダンキンドーナツの戦略にヒントを得て始めたのが「セブンカフェ」だ。一杯ずつ豆を挽いてドリップするマシンは、現在日本全国1万6,000店舗に設置されているという。

 ウォール紙は、東京オフィス街では「セブンカフェ」に行列ができるほどで、一店あたりの一日平均販売数は100杯にもなる、と報じている。金融街の会社員(39)は同紙に、「この質でこの価格なら毎日飲める。ホテルのコーヒーの方がおいしいかもしれないが、スターバックスやドトールよりおいしい」とコメントした。

【日本のコーヒー】
 全日本コーヒー協会によると、1990~2012年にはコーヒー豆消費量が50%増え、緑茶消費量の3倍弱に相当した。ホットドリンク市場の主役であった伝統的な緑茶がコーヒーに取って代わられた、とウォール紙は報じている。

 米ブログネットワーク最大手『ゴーカ―』では、セブン・イレブンのコーヒーを取り上げ、日本人はまずいコーヒーを飲んでいると報じた。読者からは賛否両論の意見が寄せられている。
・セブンのコーヒーは強くて量が少ないからまずくても飲める。
・スターバックスのコーヒーと同じくらいおいしい。
・アメリカ人にとってのラーメンのように、日本と韓国はコーヒーの味覚が悪い。
・アメリカでも日本のように効率よくコーヒーを提供して欲しい。
・日本の文化は洗練されているかもしれないが、ポップカルチャーは流行の奴隷だ。コーヒーもそのひとつ。

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Text by NewSphere 編集部