アマゾン「Fire TV」、PSやXboxの新たなライバルとなるか? 海外メディアも注目
アメリカのAmazon.comから、新しいセットトップボックス「Fire TV」が発表された。価格は99ドル、別売りのゲームコントローラーは39ドルだ。既にいくつかのゲームが購入可能で、来月までに何千タイトルものゲームが発売される予定だ。海外メディアが報じている。
【ゲーム開発体制を整えるアマゾン】
アマゾンがゲーム市場に参入するなら「鶏と卵の問題」が起こるとウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下、ウォール紙)はあるアナリストの言葉を借りて報じる。マイクロソフトやソニー、任天堂とソフトウェア開発会社の注目を争う必要があるが、開発会社の側としては、まず多数のユーザーがいることを確信する必要があるということだ。
アマゾンは、自らの創造力を用いることを表明している。ウォール紙は、ゲーム開発とは開発チームを築くことであり、アマゾンは明らかにこれを行ってきたと伝えている。2012年8月に「Amazon Games Studios」の存在が発表された。今年にはゲーム開発会社「Double Helix」を買収して75人のスタッフを獲得し、有名タイトルの開発に関わったデザイナー2名をリクルートした。「我々は世界で最も情熱的かつ才能を持ち、革新的かつ手作りのゲームをつくりたい人々を求めている」とスタジオのウェブサイトには書かれている。
【既存ゲームブランドと競合するつもりはない?】
一方、あるインタビューで、アマゾンの役員が「(Fire TVは)コンソールであろうとはしていない、しかし我々は、コンソールとスマートフォンの中間には、面白く上質なゲームのための大きなチャンスがあると考えている」と述べた。
ゲーム情報サイト『GAMESPOT』は、「Fire TVは、タブレットとモバイルのユーザーを主なターゲットとしており、動画ストリーミングがメインだ。主な競争相手はApple TVのようなセットトップボックスになる」と伝えている。
フォーブス誌は、Fire TVがXbox OneやPS4と直接競わなくとも、ソニーや(特に)マイクロソフトは、それが市場のエコシステムの一部であることを鋭く認識する必要があると指摘。コアゲーマーが大型でがっしりしたゲーム機に傾く一方、市場の大部分はFire TVで手軽に済ませるだろうと分析している。
動画やゲームなどを安価で楽しめるという点で、Fire TVは魅力的だ。収益をイーコマースや広告収入に求めるアマゾンはハードウェアを安価に供給できるという強みを持つとウォール紙は見ている。
【ゲームファンからのコメント】
『GAMESPOT』に寄せられたコメントには以下のようなものがある。
・待て待て…じゃあこれはゲームコンソールだと思われてるってことか?
・つまりこれは、Xbox Oneが目指していたようにゲームができて他のエンタメのストリーミングもできる、と。それならこれがゲームコンソールであるか、Xbox Oneがゲームコンソールじゃないかのどちらかだ…今のところ。任天堂とソニーには、ゲーム開発に集中してあれだけの素晴らしいゲームを出してくれたことに感謝するよ。
・これをゲームコンソールと呼ばない本当の理由は、モバイルゲーム用だってことだ。
コアなゲームファンほど、Fire TVをゲームコンソールとはみなしていないようだ。
ジェフ・ベゾス 果てなき野望 [amazon]