フェイスブック、なぜオキュラス買収? “将来のプラットフォーム”への先行投資と海外分析

 Facebookはヘッドセットメーカー、Oculus VRを20億ドル(4億ドルのキャッシュ、2310万株のFacebook株式)で買収すると発表した。FacebookがWhatsAppを買収してわずか1か月後の発表でもあり、2社の協力関係の内容、製品の開発、ゲーマーに与える影響に大きな関心が集まっている。

【バーチャルリアリティーは将来のプラットフォーム】
 海外メディアは一斉にFacebook創設者、マーク・ザッカ―バーグ氏の「これからはFacebookの利用にVRヘッドセットRiftを装着することになるだろう。Oculusは最も多くのプラットフォームを作り出す。これは将来への戦略的投資だ。モバイルが現在のプラットフォームなら、バーチャルリアリティーは将来のプラットフォームだ」とのコメントを掲載しており、同氏が今回の買収に自信を持っていることの表れともいえる。

 フォーブス誌、米ニュースサイト「Mashable」はさらにバーチャルリアリティーの世界で実現可能なこととして、「家でスポーツの試合を見る、世界の他の場所で大学の授業を受ける、1対1で医師の診察を受けるなど」をあげ、その世界観を具体的に示している。

 一方Riftは現在開発段階にあり、一般向けの発売計画は未公開だが、Oculus CEOイリーベ氏は「ゲーマーにとっては良いことだ。より良い製品を安価で製造でき、発売に関しても計画通り行う予定である」と今回の買収の利点を挙げている。

【買収に対する否定的意見】
 しかしながら、この買収に対する否定的意見も存在する。フォーブス誌は、米Gartnerの研究者ブライアン・ブラウ氏の「ザッカ―バーグは20年前からずっと言われていることと同じ話をしている。効果的なバーチャルリアイリティの経験を作ることはとても困難だ」「Oculusが20億ドルのビジネスになるには2~5年はかかるし、300~500ドルで数百万台を売る必要がある」との意見を掲載。

【買収に対する読者のコメント】
 記事の読者からは以下のようなコメントが寄せられている。

・バーチャルリアリティーが巨大市場になるにはまだ時間がかかるだろうね。Facebookが財政面での援助にはなるだろうけどね。
・Facebookがこれから何をするのか楽しみだね。
・マーク・ザッカ―バーグは将来に投資したんだろうね。Facebookにとって20億ドルは高くないよ。
・Oculusを使うのに、これからはログイン/ログアウトがいるね。

AR(拡張現実)で何が変わるのか? (川田 十夢(AR三兄弟)) [amazon]

Text by NewSphere 編集部