“甘いお茶”の優勢を崩せるか? 健康機能性で東南アジア市場に挑む日本メーカー

 お茶は世界で飲まれている。しかし、国や地域ごとにその種類や楽しみ方は異なっている。日本では、日本茶は主にほのかな苦みを楽しむもの、甘みを楽しむなら紅茶、などと飲み分けられている。一方、東南アジア各国で飲まれているペットボトル入りのお茶には、茶葉の種類に関わらず砂糖が加えられていることが多い。

【日本メーカーの戦略】
 そんな中、日本の飲料メーカーは、東南アジア市場にお茶で勝負をかける意気込みのようだ。

 各社の戦略には2つの方向性が見られる。1つは「本格的日本」を売りとするもので、あくまで「日本ブランド」として売っていこうという強気の姿勢だ。

 2つ目は、健康機能性。「血圧を下げ、脂肪の吸収を抑えるものを求めるようになってきた」消費者向けに、カテキンなどの効果を正しく伝えて購入してもらおうというものだ。日本で機能性緑茶が人気であることからも、期待される。

 シンガポールの最大手紙『THE STRAITS TIMES』は、東南アジアの消費者が健康志向に目覚め始めた、というSuntory Beverage & Food Asiaのヘンリー・パークCEOのコメントを取りあげている。

【新商品で巻き返しなるか】
 日本の大手メーカーはこれまでも、タイ、ベトナム、インドネシアなどに緑茶などの製品を投入してきた。しかし、甘みを求める消費者と地元メーカーの知名度の前に、シェアを伸ばしきれずにいた。

 そのため、各社は緑茶以外の商品で巻き返しを図ると読売新聞は報じている。例えば、サントリーは、脂肪吸収を抑えるポリフェノールを抽出した新商品「TEA+」を9月からタイで発売。ベトナムやインドネシアでも同様の商品を展開するという。

 緑茶を巡る「苦い」経験を生かし、日本の飲料メーカーは、東南アジアの「甘い」お茶の壁を切り崩すことができるのだろうか。

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Text by NewSphere 編集部