電動バイクのテラモーターズ 「キワミ」でインド進出へ 人口だけじゃない、その理由とは?
電動バイクのテラモーターズがインド市場を席巻しようとしている。同社は1000ccの電動スーパーバイク「キワミ」を発表した。この発表は現地でも大きく報道された。
【日本の最新技術の結晶、スーパーバイク「キワミ」】
「キワミ」のターゲットは、都市部に住むバイク愛好者の若者層で、環境にやさしいバイクを探している人々だ。
日本語で「究極」を意味する「キワミ」は日本の最新技術の結晶である。フィナンシャル・エキスプレス紙によると、「キワミ」は最高出力10kwで、一台一台が手作りである。加速は速く、時速160㎞という高スピードを出すことができる。バイクの全長は2050㎜、全幅750㎜、全高1080㎜である。
「キワミ」はリチウムイオン電池で充電され、フルチャージ後、200㎞程度の走行が可能である。インドの電動バイクの中では、一番の長距離である。フルチャージには6時間しかかからない。価格は少し高めの1,800万ルピーである。しかし、これだけの機能と燃費を考えると、その価値はあるとカートレードは報道している。
【2016年までに販売目標10万台、インド進出の意図は?】
テラモーターズのインド進出に関し、創業者徳重徹社長のコメントをフィナンシャル・エキスプレスが報道している。
「インドは世界で第二の二輪車製造国だ。我々の戦略的拡大計画において大事なマーケットである。」
さらに、同社長はガソリンの値上がりを理由の1つに挙げた。「インドには膨大な電動バイク需要がある」と、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報道した。
テラモーターズはインドに3つの電気自動車(EV)を導入する予定だ。バイクの「キワミ」、3輪の「T4」、スクーターの「A4000i」だ。徳重社長は販売目標を今年1万台、2016年までに10万台前後としている。同社のインド投資計画に関し、同社長は、「来会計年度は、インド市場に3億ルピー投資するつもりである」と述べた。テラモーターズは今夏、インド西部のアーメダバードあるいは南部のハイデラバードに組立工場を構える計画だ。
テラモーターズの挑戦はインドだけに留まらない。同社は昨年、量産車としては世界初のスマートフォンとつながる電動バイクを発表した。この「A4000i」は日本向けに開発された。また、タイとフィリピンで人気の3輪タクシー「トゥクトゥク」をベースに3輪EVを開発した。アジアの途上国にクリーンな乗り物を投入するためである。テラモーターズの目的は、EVでアジア市場にイノベーションを興すことなのだ。