ANAのCMは“白人に差別的”? 海外の反応「悪意は感じない」「騒ぎすぎ」
全日空(ANA)が18日から放送しているテレビCMに、“白人の容姿を差別的に表現している”との苦情が寄せられた。同社は20日、問題となっているCMを修正していることを明らかにした。
【 CMの内容は 】
問題のCMは、3月30日から羽田空港の国際線が増便されることをアピールするもの。パイロットの制服を着た俳優の西島秀俊さんとお笑い芸人のバカリズムさんが英語で会話しているものである。
CMの後半、西島さんが「日本人のイメージ変えちゃおうぜ」と言い、画面が切り替わると、バカリズムさんが金髪のかつらをかぶり、高さを強調したゴム製のおもちゃの鼻を付けた姿に変わっている。
金髪に高い鼻、青い目は、大半の日本人が抱いている典型的な白人のイメージであり、「金髪と高い鼻」を外面的に客観化したことに、白人をステレオタイプ化していると苦情の原因となったようだ。苦情の多くは外国人からだという。
各紙によると、この苦情に対してANAの広報担当者は、「(このCMは)国際線航空会社として、国際線の増便アピールや世界を見に出かけようと呼び掛ける意図で制作しましたが、その意図と違う形で受け止められ、寄せられた意見については真摯に受け止めています」と語っている。CMの内容を一部修正し、第2弾を放送する予定とのことだ。
【 このCMに対し、海外紙の報道とは 】
AFP通信は、日本の大半は単一の民族で構成されている国家であり、移民コミュニティーは比較的小さいのでは、とCMについての見解を述べている。AP通信も、日本には非アジア人がわずかしかおらず、白人というと金髪に青い目、高い鼻として型にはめられていることが多いのでは、と報じている。
また英テレグラフ紙は、ANAのCMについてSNSに書き込まれたコメントを紹介。フェイスブックからは、「たった今、ANAの新しいテレビCMみたけど…本気なの? ANAはこれでOKだとおもってるわけ!?」との投稿を、ツイッタ-からは、「あなたが外国人で日本に行く予定なら、ANAのように公然と人種差別をするような航空会社を使っては駄目!日本でのCMを見て」といったつぶやきがあったことを掲載している。
【 海外ユーザの反応は 】
英テレグラフ紙の記事には、ANAのCMについて、以下のようなコメントが投稿されている。
「白人の高い鼻、このCMとても面白いと思うよ、くだらないけどね。変で、ばかげてはいるけど悪意はまったく感じられない」
「このCMを見てなぜ外国人が不快になるのか疑問に思う」
「日本人ってけっこうユーモアのセンスがあるんだね、今時冗談の一つも飛ばせないのかね」
「おれはコーカサス(白人)の男だけど、そんなことどうでもよい」
批判的なコメントはほとんど見られず、どちらかというとANAに同情的なコメントが目立った。
「ツイッタ-でつぶやいた奴、いいかげんにしろ!」
「それってニュース記事なの?底辺層の奴らがわめいてるんだろ」
「私は日本人よりちょっと鼻が高い金髪の白人、人種差別や人種憎悪犯罪被害者の賠償請求はどこで申し込むの?」などの投稿もあがっていた。