ソフトバンク、TモバイルUS買収で世界2位へ 課題は米当局の判断?
ソフトバンクが、米子会社スプリントを通じ、米携帯電話4位のTモバイルUSの買収を検討していると25日から報じられている。来年度中に、親会社のドイツテレコムから株式の過半数を取得したい考えだという。買収金額は190億ドル(約2兆円)にのぼるとみられる。
【TモバイルUS買収が米携帯電話業界に及ぼす影響】
ソフトバンクは今年7月に米携帯電話3位のスプリントを買収したばかりである。今回の買収が実現した場合、米携帯電話3位と4位が合併することになる。ニュースサイト『ザ・ヴァージ』は、米携帯電話2強(ベライゾン、AT&T)との競争の激化が予想されると報じた。大手企業の減少による、市場の弱体化も懸念されるとしている。
またロイターは、買収が実現すれば、ソフトバンクはライバル社のベライゾン、AT&Tに対し優位に立つことになり、孫正義社長が掲げる「世界一のインターネット企業」につながると予測している。
なおロイターは「交渉は初期段階である」と伝えているが、日経ビジネスは「最終段階」と報じていることにもふれている。
【米当局の判断がカギになるか】
海外各紙は、今回の買収について米連邦通信委員会(FCC)が懸念していることを報じている。FCCは2011年、AT&TとTモバイルUSの合併に反対、実現に至らなかった歴史がある。ザ・ヴァージは、この事例から、ソフトバンクの今回の買収も同様の道をたどる可能性があると報じている。
さらにロイターは、米司法省は今回の買収の精査について、厳しい態度で臨むだろうと報じている。スプリント、TモバイルUSは、この合併は上位2社への対抗する観点から、米通信業界には必要であると強調していることも掲載した。
【株価は軟調】
ロイターによると、25日のソフトバンク株価は軟調で、株価は0.5%下落し、終値は8770円だった。