エボラ予防マスク、1万枚を日本企業が寄付 感染拡大の中、関連企業の株価アップも

 エボラ出血熱の感染拡大が広がるアフリカに、愛知県のメーカーがマスクを寄付した。特殊なコーティングでエボラを始めとする99%のウイルスを不活性化するもので、他国からも問い合わせが来ているという。

◆株式会社くればぁの「ピタリッチ」
 AFP通信によると、マスクを寄付したのは愛知県のフィルターメーカー「くればぁ(Clever)」。同社役員の中山氏は、ギニアからマスク購入の要望を受けたが、購入に時間がかかるため寄付することにしたと話す。エボラウイルスの感染が猛威を振るうアフリカのギニア、リベリア、コンゴに1万枚を送った。同じく感染が拡大するシエラレオネには日本大使館がないため、マスクは寄贈できなかったという。

 「ピッタリッチ(Pittarich)」マスクは当初、中東呼吸器症候群(MERS)対策として開発された。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、マスク表面に帯電した化学薬品がコーティングされており、エボラやMERSを始めとする99%のウイルスを不活性化させる。表面で静電気を起こさずに空気中にウイルスを集める仕組みだという。くればぁによれば、耳や口元にぴったりフィットするよう工場で1枚ずつ手作りされているため、1日400枚までしか生産できない。

 同社広報は、マスク寄付の報道を受けてフランスや、23日に初の感染を確認したニューヨークからも問い合わせが来ていると話した、という。

◆エボラ関連の株価アップ
 エボラ出血熱の感染が広がる中、予防・治療に関連するとみられる日本企業の株価が上昇している。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙によると、富士フイルムの株価は最大4.2%上昇した。防護服メーカーのアゼアス株式会社や、マスクなどのメーカー重松製作所も、10月初旬に急上昇した((FT)。

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Text by NewSphere 編集部