21円とは思えない… 一口チョコ「ボノボン」じわり人気
最近、粒売りチョコレート「ボノボン(bon o bon)」がと評判を呼んでいる。1粒21円の手頃な値段だが、「ヨーロッパの高級チョコのよう」と味への満足度も高いようだ。コンビニのレジ横に積まれていることも多く、鮮やかな色合いと個性的なパッケージに、つい目が留まってしまう。このチョコレートの魅力とは?
【「ボノボン」の由来とこだわり】
ボノボンは、イタリアからの移民が創立したアルゼンチンの企業「ARCOR」によって、1984年に商品化された。「魔法の一瞬」をスローガンとする同社にとって、このボノボンにこめる思いは、「ヨーロッパでは高級品の「ボンボン(bonbon)」を、もっと日常的に、子供にも誰にでも味わってもらえるように」とのことだ。
ボノボン(bon o bon)というユーモラスな商品名と、独特のドーム型の形状は、このヨーロッパの「ボンボン」に由来する。
【こだわりはパッケージにまで】
一風変わった手ざわりの包装紙のラッピングには、様々な工夫が凝らされている。同社によれば、徹底したCO2削減など環境面に配慮しつくした独自の素材の紙を使用、両側のねじりにまで細心の注意を払っているという。アルゼンチン国内では、今年6月の新製品においても、PVCやBOPP等について考慮したパッケージの斬新性が報じられ、話題となった。
さらに同社は、動画サイトでも「パッケージの開け方、食べ方」を具体的に紹介。この包装紙をふまえたラッピングこそがボノボンの1つの個性になっている。
【世界中での評判は?】
小麦・牛乳・カカオといった、南米で親しみ深い素材を用い、手頃な価格設定にしたことから、このチョコレートはまず中南米で流行した。現在、ラテンアメリカ圏でのfacebook上でのファン数は100万人を超える。
この人気は全世界に広がり、2013年現時点において、ヨーロッパ、アジア、アフリカ総計60ヶ国以上に輸出されている。
ボンボンの発祥であるヨーロッパでもその個性は人気を集め、支社を置くスペイン国内でも口コミで「剥くとボンボンそっくり」「包装が可愛い!」という声があがっている。
【「開けても見ても楽しめるチョコ」の今後は】
おびただしいチョコレートの陳列の中でも目立つこの「ボノボン」。日本では、輸入の過程で表示不明確等を一時指摘されたものの、環境面で工夫を凝らしたからこそのパッケージとデザインは、まず「開ける楽しさ」を味わわせてくれる。そして包みを開けると、ヨーロッパの元祖ボンボン風チョコが現れ、「見る楽しさ」の味わいにもつながる。
ヨーロッパのボンボンの歴史と、パッケージの個性から生まれた「開ける度にちょっと楽しい」ラテン系ボンボンは、ヨーロッパ・アジアといった境界を越え、世界中どの国でもさらに人気を集めそうである。