「なぜ日本の若者はセックスをやめた?」英紙記事が2万FBシェア
20日(現地時間)付の英ガーディアン紙コラム「なぜ日本の若者はセックスをやめた?」が、21日17時(日本時間)時点ですでに2万facebookシェアを集めている。ただし、記事内容はむしろ「結婚」の話題が中心である。
2012年、日本の出生数は過去最低記録となり、一方で高齢者数は急増。乳児用おむつより老人用おむつの販売が上回る状況となった。2060年までに、人口は3分の2に減ると予測されている。政府は日本の存亡に関わると危機感を強めているが、著者は、政府には現場が見えていないと批判的である。
【結婚は女の墓場】
著者は、外資系銀行の女性社員を例に、キャリア喪失を恐れる女性が結婚・出産を敬遠していると指摘する。世界経済フォーラムは一貫して、職場での男女平等について、日本を世界最悪レベルと評価している。
また、結婚の目的は子供を作ることであると考え、女性が働く事自体を快く思わない日本文化についても、著者は指摘する。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、若い女性の90%が、独身でいることが「結婚と聞いて想像するものよりはマシ」と考えているという。また、現在20代前半の女性は最終的に結婚しない可能性が4分の1、子どもを産まずに終わる可能性が約40%あるという。
【重圧に反抗する草食男子】
男性もやはり結婚を負担に感じているようだ。景気悪化をきっかけに終身雇用が崩壊したにも関わらず、生活コストが高いため、共働きでないと子供を持てない。この現実から、「草食男子」たちは、夫が一家の経済力を担うという従来像に消極的反抗をしているのだという。著者は「キャリアとロマンチックな成功の二兎を追うことを拒否している」と表現する。
そして、夫婦の役割分担が固定された従来の社会で、元々は単身赴任サラリーマン向けに発達した1人用コンビニ商品などの文化が、皮肉にも独身生活に有利な環境を生んでいると論じる。米国の日系女性助教は、「独身で売れ残ることは、かつては究極の人格的失敗でした」「しかし、そちらの方が良いと気付く人々が増えているのです」と語っている。
【女王様の治療】
また著者は、実際に人と会うより、主に日本の「洗練された」ソーシャルネットワーク上で他人と交流する若者の姿も描いている。日本家族計画協会の今年の調査では、16-24歳の女性の45%は、性的接触に興味を持ちも軽蔑しておらず、男性の4分の1以上も同様だという。
こうした人間関係の変化は日本に限った事ではないものの、日本で特に顕著となる要因として、宗教的権威の欠如や、「地震が多く、無力感を発生させる」土地柄を指摘する声もあるようだ。
記事は元SM嬢のカウンセラー、青山愛氏への取材で始まり、終わる。青山氏は「物理的にしろ他の方法でにしろ、異性と関係することができない」引きこもり傾向者に、「肌と肌」「心と心」の付き合いの価値を説いているという。青山氏は、政府が「独身者が生きたいように生きるのを難しくしている」「出生率下落についての恐怖をムチ打って煽っている」ことを、誰の助けにもならないと非難する。著者はこれを、「ムチについては少々うるさい女性の言葉」だとまとめている。