松本零士を悼むフランス「アルバトールの父逝く」 新聞一面にも

Domenico Stinellis / AP Photo

 20日に伝えられた松本零士氏の訃報は、フランスでも各メディアに大きく取り上げられた。同氏はフランスの日本アニメ人気に火をつけた一人であり、フランスの文化勲章受章者でもあるからだ。ではフランスで最も有名な松本零士作品は何か? 実はそれは『宇宙戦艦ヤマト』でも『銀河鉄道999』でもない。『アルバトール』と呼ばれるものだ。

◆日本SFアニメの双璧アルバトールとゴルドラック
 松本零士が13日に亡くなったというニュースが20日に流れると、フランスの主要メディアはすぐさまこれを大きく取り上げた。その多くが用いたのが「アルバトールの父」という表現だった。

 アルバトールというのは、キャプテン・ハーロックのフランス語名で、実はフランスではこの『アルバトール』が松本零士作品のなかでは一番有名なのだ。

 フランスで『アルバトール』のテレビ放映が始まったのは1980年のことだ。その2年前には永井豪の『ゴルドラック』(原題:UFOロボ グレンダイザー)の放映が始まっており、いずれも人気を呼び、両作品は日本のSFアニメとしてフランスで双璧をなすことになる。

Text by 冠ゆき