どうして男性には親しい友人が少ないのか? 米で15%が「まったくいない」

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 友人が少ないと嘆く成人男性は多いが、状況はアメリカやイギリスでも同様のようだ。気軽に声をかけ合える仲間ができにくい理由と改善の秘訣を、英米各紙が紹介している。

◆米男性の半数以上は、望むほどの友人がいない
 ニューヨーク・タイムズ紙は2021年の調査結果をもとに、自分が持つ親しい友人の数に満足できている人は、米成人男性の半数以下であると報じている。まったく親しい友人がいないと回答した人も15%に上った。

 一方、友情関係の維持は人生に有益だ。アメリカの心理学者であるフランク・シレオ博士はCNNに対し、豊かな人間関係は「人間の健康に最も有害なものの一つ」である孤独を払拭すると述べている。

◆「男性らしさ」が友人への依存を減らしている
 男性はなぜシンプルな友情を維持しにくいのだろうか。米カウンセラーのニック・ファガー氏は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、男性には「強さ、競争力、冷静さ」が求められがちだと指摘する。ジェンダーのステレオタイプが軽減された今でもこのような傾向は残っており、ゆえに弱さをさらけ出して頼れる真の友人を持ちにくいのだという。

 加えて、そもそも男性は深い友人関係にさほど興味がないとの指摘もある。イギリスでカウンセラー兼心理療法士として活動するエイドリアン・ウィルソン・スミス氏は、40歳以上の男性クライアントのなかに、「本当の友情など必要ない」と思っている人々が多いと指摘する。

 氏は英ガーディアン紙に対し、友人関係には3つのカテゴリーが存在すると説明している。すなわち、機能的関係、パーティー的関係、永続的関係の3つだ。氏によると、男性は前者2つの関係を重視する傾向があるようだ。たとえばビジネス上の利益を期待できるような友人は機能的関係であり、一緒にアルコールを楽しむような関係はパーティー的関係だ。だが、永続的な親友を持つことには女性ほど関心がないのだという。

Text by 青葉やまと