なぜロシア兵の死者が増えているのか? 1日に800人超、侵攻1週目以来の多さ
ロシア兵の死者数が一段と増加している。海外報道によると、その数字はウクライナ侵攻以降の最大を記録しており、まるで「射撃場を逃げ惑う七面鳥のように撃たれている」という。対ウクライナで以前から想定外の弱さを露呈しているロシア軍だが、ずさんな作戦によりさらに死者が増加。兵が反乱寸前に至るなど、死者増加が統率の乱れを招く悪循環に陥っている。
◆1日あたり800人超が死亡、侵攻以来最悪に
英BBC(2月12日)は、「ロシア兵の死亡率(期間あたり死者数)が、開戦第1週以来で最大」になっていると報じている。ウクライナが発表したデータによると、2月の1日あたり死亡数は824人に上る。BBCはこの数字を独自に検証できないとしながらも、イギリス国防省が「正確と思われる」との判断のもと取り上げたと補足している。昨年の6月から7月にかけての1日あたりの死亡数は約172人であったが、現在ではこの4倍以上となっている。
米ニューヨーク・タイムズ紙(2月2日。以下「NYT」)は米高官による発表をもとに、開戦以来の死傷者をすべて含めると、その数はロシア軍全体で20万人に近づいていると報じた。わずか11ヶ月の間に、20年間にわたるアフガン戦争でアメリカに生じた死傷者の数の8倍の犠牲を払っているという。当局者は「プーチン大統領の侵攻がいかにひどいかを示すまぎれもない象徴である」と語る。
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