世界危険な都市TOP3は東京、大阪、名古屋 その理由とは

 スイスの再保険会社スイス・リーは18日、河川の氾濫、高潮、津波、暴風、地震などを総合して検証した結果、東京と横浜が世界で最も危険な都市だと判断したことを発表した。

 さらに、人的損害ベースではフィリピンのマニラ、中国の珠江三角州地域が危険な都市の上位にあがっている。損失する稼働日ベースでは、大阪が2位、名古屋が3位と日本の都市が独占する結果となった。

【地震を感じたらすぐに避難を】
 津波の警報システムは、一般的に、地震の位置、地震の強さ、震源の深さ、活断層の動きを測定するものだという。
日本気象庁では、揺れを記録する200台の地震計、震度を算出する600台の震度計に加え、1000台以上のGPSシステムを日本海溝に広範囲に設置している、とワイアード誌が報じている。

 しかしながら、ロンドン大学(UCL)の災害リスク軽減研究所は、「地震警報は、主に地震の発生を探知することで発令される」ため、警報が発令されてから行動を開始しては遅いとしている。「もし地震の揺れを感じたら警報を待たずに内陸、あるいは、小高い土地に移動するべきだ」とし、「海岸近くで地震を感じたら、津波に巻き込まれる危険があるので、直ちに避難するのが最良の自己防衛だ。」と助言している。

【都市部の人口集中で被害が拡大】
 国連の発表によると、2050年までに世界の総人口の68%に当たる63億人が都市部に集中すると予測されるという。
USAトゥデイ紙は、こうした都市部への人口集中が進んでいる現状が、これらの地域での自然災害発生時の被害の大きさを拡大していると指摘している。

 同紙は、1994年の米国ノースリッジで起きた地震災害を例に取り上げている。ノースリッジは、人口の集中するロサンゼルスから30キロほど郊外に位置するが、地震により210億ドル(約2兆円)規模の被害を被ったという。これがもし、ロサンゼルス中心で起きれば被害はさらに大きなものになることが想像できる、と同紙は警告している。

 スイス・リーのミーガン・リンキン氏は、「世界中の都市政策に関わる人たちが、今回の調査報告を利用して、自然災害の危険性を理解し、その発生から市民を守るために必要な方策を取ることを期待します。」と述べている。

Text by NewSphere 編集部