1時間1,000円は安い? 「おっさんレンタル」への海外の反応

 おっさんの豊かな経験を活かしてその存在価値を高めたい。そんな思いを実現させるべく立ち上がった男が東京にいる。

 西本貴信氏、46歳。本業はファッションプロデユーサーの彼は、今年4月に「おっさんレンタル」を立ち上げ、主に平日の夜と週末に、1時間1000円で自身を貸し出している。

 9月までの6カ月間(週末だけなら50日程度)で、100人以上が利用したというから、なかなかの反響ぶりだ。「おっさん」というインパクトのあるサービス名が目を引き、2ちゃんねるやナリナリドットコム、ソーシャル図鑑などのサイトで取り上げられたことからネット上で話題となり、今では海外メディアでも次々と紹介されている。

【強烈なサービス名と健全な内容のギャップが海外ウケ】
 日本でまた奇妙なサービスが登場した、と国内外で話題になっているものの、各メディアとも、ぎょっとするのはそのサービス名だけで、実際は何気にいいんじゃないか…という論調だ。日本の風がわりなネタを面白おかしく報じる海外のニュースサイト「Kotaku」でさえも、“やらしい”サービスではなく、東京に友達がいない人などが利用する価値はあるのでは、とコメントしている。

 本人の取材を行ったジャパンタイムズでも、話をしているうちに、自分もついついプライベートで連絡してしまいそうだと述べている。

 本業で大学の客員講師も務める西本氏は「先生ではなく先輩と呼ばれたい」と語っているなど、日頃から人との繋がりを楽しんでいるようだ。また、「興味を引くかな?」という理由でプロフィール欄に年の差婚をアピールしている奥様(27)も、この企画を面白がっているという。

【1時間1000円は安い?高い?】
 海外の記事に寄せられるコメントでは、そのレンタル料も注目されている。ベビーシッターの時給とほぼ同じで、カリフォルニア州の最低賃金程度。これは安いのか、高いのか?と。

 西本氏としては、色々な人々と交流する機会が欲しかったので、そもそもお金をもらうほどのことではないし、顧客が満足できなかったとしてもあまり痛手ではない程度にしたそうだ。本業であれば高く設定しているが、ちょっとしたお金になる趣味というところろだろうか。

 ちなみによくある案件は、車の試乗や美術館への同行、おしゃべりや暇つぶしなどだという。最近のブログでは、同年代の会社社長と新しいアイディアについて話したり、子どもへのプレゼント選びをしたり、と内容は様々だ。

 なお「おっさんレンタル」には、西本氏の他に、元プロ野球選手の千藤三樹男さん(65)もサービスを提供している(同氏は2時間から)。文化系の西本氏と体育会系の千藤氏を気分や用途によって使い分けてもいいかもしれない。

※おっさんレンタル
http://ossanrental.thebase.in/

Text by NewSphere 編集部