ロシア参加禁止のダボス会議 ウクライナ、さらなる支援訴え
5月22日から26日まで、世界の首脳やビジネスリーダーが集結する国際会議である世界経済フォーラム(World Economic Forum)の年次総会(通称、ダボス会議)が開催。ロシアがウクライナ侵攻を続けるなか、ロシアからの参加は認められず。一方、ウクライナは大統領を筆頭に、さらなるロシアボイコットと、ウクライナ支援を訴えている。その詳細とは。
◆ゼレンスキー大統領の訴えとは
毎年スイス南東部の村、ダボス(Davos)で開催されるダボス会議。パンデミックのため昨年は開催が見送られ、今年は2年ぶりの開催となった。パンデミック以前は3000人ほどが参加していた会議だが、今回の参加者は少し減少して2000人ほどであった。公式発表によると米国からの参加者が583名、スイスからが220名、英国からが211名、インドからが109名と、これら4ヶ国からの参加者が約半数を占めたようだ。参加者のうち612名がCEO陣だ(クオーツ)。
会期2日目の23日は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)が、ビデオ中継にて特別演説を行った。約30分間のプログラムでは、ゼレンスキーの演説の後、ダボス会議の創設者であるクラウス・シュワブ(Klaus Schwab)会長との質疑応答が行われた。ゼレンスキー大統領は、攻撃を続けるロシアに対して最大限の制裁を与えるように訴えた。彼が繰り返して主張したのは、ロシアの攻撃に対して、後手に対応(リアクション)するのではなく、攻撃を防ぎ、事前に阻止するような制裁が必要だという点だ。ゼレンスキーは、各国の支援やグローバル市民が各国政府や企業に対して、制裁のプレッシャーを与えているという動きに感謝しつつも、より大きな支援が必要であると主張した。
大統領のイニシアティブとして、現在、ユナイテッド24(United24)というウクライナ直接支援のためのプラットフォームが運営されている。世界各国市民や団体は、このプラットフォームを通じて、ウクライナ政府の防衛・地雷撤去、医療支援、ウクライナ再建に対して直接寄付することが可能だ。現時点の累計で、約3672万ドルの寄付が記録されている。その資金の大半は、防衛・地雷撤去に使われている。
一方、ゼレンスキー大統領は、財政運営に少なくとも1ヶ月50億ドル規模の支援が必要であると訴えた。また再建に向けては各国の協力が必要であるとして、各国政府や企業を呼び込む狙いだ。ウクライナの戦後の再建は、各国にとっての経済機会であるとゼレンスキーは述べた。ロシアを経済的に追い込むとともに、自国の再建を経済・事業機会の場であることを、経済界・政界のリーダーに対して強くアピールした。
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