「ガス購入はルーブル払い」の意味は? ロシアの思惑は外れるとの指摘も
ロシアのプーチン大統領はロシアに経済制裁を行う「非友好国」に対し、ロシア産天然ガスの輸入代金を今後ルーブルで支払うよう要求した。天然ガスの総消費量の約40%をロシアに依存するEUなどは、ロシアのエネルギー産業に制裁を適用しておらず、資源カードを切るプーチン氏に反発している。
◆ルーブル防衛策? ドル・ユーロはお断り
ロシアの天然ガスを供給するガスプロムによれば、1月27日時点で欧州などへの天然ガス販売の58%はユーロ建てで決済され、米ドルは販売総額の約39%、ポンドが約3%だった。国際的な商品取引の多くは米ドル、ユーロで決済され、世界の通貨準備高の約8割を占めている。(ロイター)
プーチン氏はテレビ中継された政府閣僚との会合で「ロシアはもちろんこれまで締結した契約で定められた量と価格に従い天然ガスを供給し続ける」と述べ、変更の影響を受けるのは、支払い通貨がルーブルになる点のみだとした。つまりプーチン氏のメッセージは「ガスが欲しければロシアの通貨を買え」というものだとロイターは説明している。
経済学者たちは、この動きが西側の制裁措置発動以来暴落するルーブルを支えようとする政策だと見ている。ロイターによると、この衝撃的な発表の後、ルーブルは一時3週間ぶりの高値を記録。23日の欧州のガス卸価格は、最大で30%上昇したところもあった。
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