2代目NSX最終モデル「タイプS」米誌試乗レビュー 集大成のパフォーマンス

本田技研工業

 ホンダ(アキュラ)が贈る2代目NSXに、最終モデルとなるタイプSが登場している。2016年に復活を遂げた2代目NSXは当初、高価格帯のスポーツカーとしていまひとつ抜きん出た印象がないとも言われたが、その後の改良モデルを経て今回登場したタイプSではハイブリッドスーパーカーとしての性能を飛躍させた。アメリカ市場に割り当てられた300台(全世界で350台)は1日で完売したとも言われるなど、現地の反応は良好だ。

◆どう猛さ身につけ、タイプSでさらに進化
 NSXはこれまで着実な進化を遂げてきた。米モーター・トレンド誌(2月2日)は、初代NSXはバランスと使い勝手の良さで高級スポーツ・セグメントのあり方を革新したモデルだったと論じる。一方、2代目NSXはスーパーカーの迫力を感じるには物足りない面もあったが、2020年型をもって「このクルマが必要としていたどう猛さをついに身につけた」との評価だ。そして「タイプS」が復活し、アキュラはそのハイパフォーマンスの理念を生産最終年のNSXに適用する時が来たと判断した、と同誌は述べる。2021年型のNSXが573hpと476lb-ftを出力していたのに対し、タイプSの限界は600hpと492lb-ftにまで高められた。

 モーターは3基を搭載し、ハイブリッド・パワートレインの制御ソフトには改良が加えられたほか、リチウムイオン・バッテリーの容量も向上している。米カー&ドライバー誌(2月2日)は、0-100キロ加速時間は2.7秒ほどになるのではないかと推定している。同誌はデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで試乗を行い、「直線長距離のスピードウェイ・ターン4では、私たちがNSXを愛してやまない点についての良さを感じることができた」と述べている。あらゆる体格をサポートする快適なシート、広々としたキャビン、そして夜間のレースコースも苦にならないずば抜けた視界に記者は感銘を受けたようだ。

Text by 青葉やまと