「完璧なクルマ」トヨタGR86、英メディア揃って絶賛 プロトタイプ試乗

トヨタ自動車

 トヨタのモータースポーツ部門「GAZOO Racing」から今年10月、初代「86」の登場以来9年ぶりのフルモデルチェンジとなる、新型GR86が登場した。このイギリス仕様車の正式発表が12月2日に迫り、現地各誌は期待通りパワーの増したモデルだとして取り上げている。

◆高揚感が詰まった一台
 英BBCの自動車番組トップ・ギア(11月15日)は、GR86は胸躍るようなクルマだとして新型への期待を高めている。日本には期待で興奮が高まる様子を表す「ワクドキ」という言葉があると記事は紹介し、新型トヨタ GR86にはそれが詰まっていると述べる。前身となった86(英国名「GT86」)は「基本に立ち返った」スポーツカーであり、馬力は11年間も変わらなかった。GR86新型はターボチャージャーの採用こそ叶わなかったものの、2.0リットル水平対向4気筒エンジンが2.4リットルに強化されており、記事は出力が「ついに200bhpを超えた」として注目している。

 また、変化したトルクに応じて適正なチューニングが施されており、「出力は変われど、美しいまでにリニアなコーナリング・レスポンスは変わらない」と同誌は評価している。乗り心地も良好であり、ひとたび乗れば「最良の結果を得るため、心配になるほどの執着心がハードウェアに注がれていることがわかる」という。郊外でスピードを上げるとエンジンの進化を体感しやすく、「かなり速いクルマから、実に速いクルマへと変貌を遂げた」とテスト・ドライブの感想を述べている。

 英カー・バイヤー誌(11月15日)も、速度の強化は正しい選択だったとみているようだ。前身のトヨタ GT86は常にパワーが足りないように感じられた、と同誌は指摘する。従来は高い回転域でしか発揮できなかったトルクが3700rpmで得られるようになっており、「トヨタは、あるいは正確にいうならスバルは、(顧客の声に)耳を傾けたようだ」と歓迎している。

Text by 青葉やまと