ハワイがワクチン証明をデジタル化へ 偽造接種証明の増加で

Caleb Jones / AP Photo

 急激な新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大に伴い、いままでワクチン接種を躊躇していた人々の一部がようやく重い腰を上げ始めたのか、アメリカでは現在、接種率が再び増加傾向にある。バイデン大統領は当初、7月4日の独立記念日までに成人(18歳以上)人口の70%が少なくとも1回の接種を終わらせることを目標としていたが、その日までにはわずかに届かず、結局1ヶ月後に70%を達成。しかし、米疾病対策センター(CDC)の統計によると、達成から約1ヶ月経ったいま(9月9日現在)、その割合は75.3%(12歳以上は73.4%)にまで上がっている。65歳以上に至っては、92.6%が1回、82.2%が接種を完了している。ちなみに、全人口の接種完了率は53.4%。この数字は12歳未満の接種が開始されるまでは、今後大きく増加することはなさそうだ。

◆ワクチン接種義務化が進むハワイ
 そのようななかで連邦政府や、筆者の住むハワイ州をはじめ主に民主党支持が強い各州では、州や郡政府で働く公務員や警官、大学関係者(職員や学生)、病院などヘルスケア機関職員などに対し、新型コロナワクチン接種の義務化が進んでいる。ハワイ州では、州政府および各郡政府の職員全員にワクチン接種証明を提出するか、毎週検査を受けることを求めている。

 またオアフ島全域を司るホノルル郡では9月13日より60日間、試験的にレストランや映画館、ゲームセンターなどの施設に入場する場合、ワクチン接種証明か48時間以内の陰性証明が必要となる。またハワイ州では現在、観光客を含む来訪者に72時間以内の陰性証明、またはワクチン接種証明提出を義務付けている。このいずれかが提出できなければ、ホテルや自宅で10日間の自主隔離をする必要があるなど、ハワイではいよいよ、住民でも観光客でも、ワクチン未接種者にとって肩身が狭い状況になってきた。そのため、しぶしぶワクチン接種をする人も多いだろうが、その一方で、偽造証明書を不正に販売したり、購入して使ったりすることで、法に違反する人々も目立ち始めている。

Text by 川島 実佳