東京五輪の巨額損失、日本経済への影響は?

Kiichiro Sato / AP Photo

 東京五輪は、成熟都市としての東京の魅力を世界に発信し東日本大震災からの被災地の復興をアピールするとともに、莫大な経済効果をもたらす一大イベントになるはずだった。ところが新型コロナのパンデミックで1年延期後の無観客開催となり、期待した経済的利益もほぼ消えた。多額の損失を被る五輪後の日本経済が心配されている。

◆経済再生のゲームチェンジャー、期待した政府
 2013年に日本がオリンピックの開催権を獲得したとき、東京大会が当時の安倍首相の日本経済再生の取り組みにおける最高の業績になることが期待されたとブルームバーグは述べる。もっとも、アベノミクスではデフレ脱却には届かず、構造改革や高齢化問題も克服できていなかったのに五輪にピークを持って来るという考えは、コロナ発生以前から空回りしていたと厳しい意見だ。

 フォーブス誌に寄稿したジャーナリストのウィリアム・ペセック氏は、安倍氏の経済再生計画はアグレッシブな金融緩和と五輪の二本立てだったと指摘。東京五輪とは呼ぶものの小池東京都知事にはほとんど役割がないと述べ、すべては与党自民党が1964年大会同様の効果を期待して利用したものだとしている。

Text by 山川 真智子