ワクチン接種者の旅行熱が欧米で再燃 遅れ目立つ日本

賑わいを取り戻すラスベガス(4月24日)|John Locher / AP Photo

 世界各国で大きな差が生まれている新型コロナワクチン接種だが、欧米では順調に進められている。とくに今年1月20日に民主党のジョー・バイデン大統領が就任以降、接種が急ピッチで進められているアメリカでは、ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、現在までに2億4956万本以上のワクチン接種が実施され、全人口の30%が2回(ジョンソン・エンド・ジョンソン製の場合1回)の接種を完了している。現在は16歳以下の子供に対するワクチン接種の安全性が検討されており、これが終わればさらに多くの人々のワクチン接種が可能となる。

 4月27日には米疾病対策センター(CDC)が、ワクチン接種完了した場合は屋外でマスクを着用しなくてもよい、旅行時は自主隔離しなくてよいという新ガイドラインを発表。これは、アメリカで新型コロナとの闘いが新しい段階に入ったことを示している。筆者の住むハワイでも屋外ではマスクを着用していない人々の姿が日に日に増えている。しかし開放感からか、まだ明らかにワクチン接種を完了していない年齢層にもマスクなしの人々が増えているのが気になるところだ。

◆自主隔離の反動、アメリカ人の旅行熱高まる
 そのようななかで、アメリカではいわゆる「ワクチンパスポート」と呼ばれるワクチン接種完了証明書を発行する動きがある。5月下旬から6月初旬に各学校で学年末を迎え、長い夏休みに入るアメリカでは、コロナ禍で過去1年半近く我慢を強いられてきた反動もあり、夏のバカンスで国内・海外旅行を計画している人々が多い。ワクチンパスポートを所持していれば、空港やホテルなどで検査の手間が省けるという仕組みだ。しかしABCニュースによると、フロリダやテキサスなどおもに共和党州ではワクチンパスポートを違法化する動きがあるなど一部に反発が見られることから、ホワイトハウスでも連邦政府レベルでの発行はせず、各州やビジネスの判断に任せる意向だという。いずれにしても、ワクチン接種完了者は証明書があればアメリカ国内における移動がより簡単になることに間違いない。

 一方、ヨーロッパでもワクチン接種者に対する入国規制緩和の動きを見せている。ニュースサイト『AXIOS(アクシオス)』によると、欧州連合(EU)は今夏、ワクチン接種を完了したアメリカ人の入国を認める方向に動いている。同サイトによると、アメリカだけでなく、EUは今後ワクチン接種者の入国に関する世界的なスタンダードを設定する予定であるという。

Text by 川島 実佳