「クアッドプラス」は中国の影響力拡大を抑止できるのか?
バイデン政権になって米中対立はさらに激しくなっている。トランプ前政権は中国に対して独自に圧力をかけていったが、バイデン政権は日本や韓国、オーストラリア、インド、そして英国やフランスなど同じ価値観を共有する国々との協力を重視し、多国間主義で中国に対抗しようとしている。「クアッド」は日米豪印の4ヶ国を指し、それに英国やフランスなどを加えて枠組みは「クアッドプラス」と呼ばれているが、実際のところそれは中国の影響力拡大を抑止できるのだろうか。
◆加速化するクアッドプラスをめぐる動き
昨年10月に東京で日米豪印の外相が参加するクアッド会議が開催されたが、バイデン政権になりその動きが加速している。バイデン大統領が主催する形で3月に日米豪印の首脳レベル会合がオンラインで開催され、米国のブリンケン国務長官やオースティン国防長官は政権発足後初の訪問先として日本を訪れ、2プラス2の外務防衛会談で中国を強くけん制した。そして、両長官は韓国でも2プラス2の外務防衛会談を行い、オースティン国防長官はその後、クアッドの一角となるインドを訪れ、安全保障上の関係を強化していくことで一致した。
また、英国やフランス、ドイツもクアッドに接近する姿勢を見せている。今年のG7サミットを主催する英国は昨年12月、G7に韓国とオーストラリア、インドを加えた10ヶ国で会談を行う計画を明らかにしている。南太平洋に海外領土を持つフランスもインド太平洋地域にフリゲート艦を展開し、今後はドイツも日本にフリゲート艦を派遣する計画を明らかにしている。
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