中国の不可解なビザ申請条件緩和 マスクに続きワクチン外交展開か
中国は3月15日から複数の国を対象に、外国人のビザ申請の条件を緩和すると発表した。ビジネスあるいは家族的理由による入国に限られてはいるものの、長く膠着の続く国際往来の活性化につながると思われる発表だ。だが、よく見れば不可解な点も数多い。
パンデミックが始まった2020年春から、中国は基本的にほとんどの外国人の新規入国を許していなかった。特別な事情がある場合も「渡航先の省人民政府外事弁公室や商務庁等より発行された招聘状(招聘状PU、招聘状TE、招聘確認書)」の取得が必要とされていた(中国ビザ申請センター)。
◆「或る条件」で、ビザ申請がパンデミック以前と同様に
今回の発表は、3月15日から「ある条件」を満たせば、「中国本土を訪れる外国人とその家族は、ビザを申請する際、COVID-19パンデミック以前に必要だった書類を提出するだけで済む」(中国外交部香港事務所、3/12)、つまり上述の招聘状取得が不要になるという内容だった。このニュースは、中国在住外国人たちの間で瞬く間に広がり、対象となる国の中国大使館からも順次同様の発表が相次いだ。対象国には当初約30ヶ国が挙げられていたが、その後増加し、3月19日時点では80ヶ国(ウェイシン、3/19)に拡大している。