「陰性証明ないと入国拒否」は「遅すぎ」? 日本の水際対策の変遷

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 政府が3月5日に発表した「検疫の強化(国内で変異ウイルスの感染者が確認された国・地域からの入国者)」に関する報道が流れ、3月6日は「入国拒否」がツイッターにトレンド入りした。「出国前72時間以内のウイルス検査結果を証明する書類を持っていない人は入国を拒否」に対する反応を見ると、ほとんどが「遅すぎる」という批判だった。しかし日本はこれまで何もしてこなかったわけではない。

◆2020年春の水際対策とその緩和
 パンデミック当初、日本は、欧米のほとんどの国と異なり、在留許可を持っていても外国人には入国を許さないという、中国と同じ政策を取っていた。感染テストが陰性であることを条件に、在留許可を持つ外国人が入国を許されるようになったのは8月5日になってからのことだ。これと同時期、日本は限られた国を対象に、出張などを理由とする人の往来を簡素化するビジネス・トラックの導入を図った。

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 その後、10月30日には、11ヶ国・地域の感染症危険情報レベルを3から2に引き下げ、これらの国・地域からの入国者には、国籍にかかわらず出発前検査証明も不要とした。対象となったのは、韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国、香港、マカオ、ブルネイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドだ。欧州などでは感染再拡大が著しい勢いを見せていたこの時期とはいえ、確かにこれらの国では感染状況は落ち着いていた。

Text by 冠ゆき