3社のワクチン接種のフランス 副反応など知っておきたいこと
諸外国に遅れて日本は2月17日、抗新型コロナワクチンの接種を開始した。現在日本で薬事承認されているワクチンはファイザー社のものだけで、そのほかアストラゼネカ社のワクチンが承認申請中、またモデルナ社のワクチンがそれに続くものとみられている。同3社のワクチン接種をすでに行っているフランスの報告から、知っておきたい点を挙げる。
◆年齢で異なる接種ワクチン
フランスで抗新型コロナワクチン接種が始まったのは昨年12月27日だ。用いられたのは、最初に認可を受けたファイザーとビオンテックの共同開発ワクチンだった。その後、モデルナやアストラゼネカのワクチンも承認され、接種キャンペーンが進行中だ。ただし、2月頭に接種を始めたばかりのアストラゼネカ社のものについては年齢制限を課している。フランス高等保健機構(HAS)はその理由を、「65歳以上に関しては、現在手に入るデータでは、(中略)ワクチンの安全性と有効性について結論を出せない」からだと説明する。3月23日発表予定のアメリカの研究結果を待つ間は、同社のワクチン接種は65歳未満に限る方針だ(マリアンヌ紙、2/3)。
その結果、いまのところ、ファイザーかモデルナのワクチンを受けた者は75歳以上の人もしくは50歳以上の医療関係者であるのに対し、アストラゼネカのワクチン接種済みは50歳未満の医療関係者のみとなっている。マリアンヌ紙(2/3)によれば、ドイツやイタリアも、同社ワクチンについてフランス同様の年齢制限を設けた。ただし、イギリスでは年齢制限なくアストラゼネカのワクチンを接種している。また世界保健機関(WHO)も2月10日、アストラゼネカのワクチンは、「65歳以上にも用いることができる」し、「変異株の広がっている国でも接種可能」と発表している。