バグダッドで3年ぶりのISテロ それが意味するもの

Hadi Mizban / AP Photo

 イラクの首都バグダッドの商業地区で21日、自爆テロが発生し、これまでに32人が死亡、100人以上が負傷した。イラク政府によると、自爆犯が市場にやってきて体調不良を訴え、周囲に人が集まったところで自爆。さらにその爆発による被害者たちに人々が集まったところで2人目が自爆したという。近年治安が落ち着いていたバグダッドでこのようなテロが起こるのは3年ぶりだが、このテロ事件は何を意味するのだろうか。

◆明らかに計画されたテロ事件
 まず、このテロ事件は明らかに計画的な犯行とみられる。自爆犯が体調不良を訴え、人々が集まった瞬間に自爆し、その後、爆発による被害者たちに人々が集まったところで2人目が自爆したということから、2人目は多くの市民が集まる場所(時間帯も)を意図的に選定し、できるだけ多くの犠牲者を出す方法を頭のなかで描いていた可能性が高い。事前に念入りに話し合われた計画的なテロで間違いないだろう。

◆イスラム国が犯行声明
 事件後、イスラム国(IS)が犯行声明を出した。近年、バグダッドでは、親イラン武装勢力による米国大使館などを狙ったロケット弾攻撃などが断続的に発生しているが、親イラン武装勢力が今回のような市民を狙ったテロを実行することは考えにくく、ISによる犯行というのは納得がいく。

 ISについて日本のメディアが報じることは減り、ISは終わったと認識する人々がほとんどだろう。しかし、実状はまったく異なる。今回のように、バクダッドでテロを起こすのは久しぶりだったが、モスルやキルクークなどの北部、バグダッド周辺の県、砂漠地帯の西部などではISによるテロは継続的に発生している。

Text by 和田大樹