初の女性国防長官誕生も バイデン政権の閣僚予想
2020年の米大統領選は7日に民主党のジョセフ・バイデン前副大統領の勝利が発表されたが、現職のトランプ大統領は15日現在もまだ負けを認めておらず、いまだに「選挙に不正があった」という根拠のない主張を繰り返して数州で訴訟を起こしている。しかし、証拠がないため次々に却下されたうえに、訴訟を担当していた弁護士事務所2社が撤退。また、国家安全保障省からは今年の選挙が「アメリカの歴史上もっとも安全だった」と不正主張を反論されるなど、四面楚歌の状態に置かれている。
しかし、アメリカではトランプ氏の性格上、そう簡単には負けを認めないであろうことは選挙前から予想されていたので、バイデン陣営はいまのところ不便こそ感じていてもそれほどこの異常事態に慌ててはいないようだ。ABCニュースによると、バイデン氏は11日、オバマ政権時に副大統領首席補佐官を務めていたロン・クレイン氏を大統領首席補佐官に選んだことを公表。トランプ氏の敗北宣言を待たずに新政権の組閣作業を進めている。記事によると、今月末にもバイデン政権の主要ポスト候補が公表される予定で、新政権の準備は着々と進んでいるようだ。
◆国防長官有力候補者は国防省キャリア女性
政治ニュースサイト『ポリティコ』は11月7日、バイデン新政権閣僚候補予測を報道。新政権では女性を積極的に採用して人種が多様化するほか、政治的には民主党中道派、プログレッシブ、また少数ではあるが共和党員の入閣も予測されているという。
同記事によると、国防長官候補にはオバマ政権時代に国防次官を務めたミシェル・フロノイ氏が有力候補として挙がっており、就任すれば女性初の国防長官となる。また、国務長官にはオバマ政権時代に国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏や、デラウェア州選出上院議員のクリス・クーンズ氏などが候補に挙がっている。司法長官には現アラバマ州選出上院議員で再選されなかったダグ・ジョーンズ氏のほか、元司法長官代行でトランプ大統領に罷免されたサリー・イエーツ氏、オバマ政権で閣僚を務めた民主党全国委員会のトム・ペレス委員長も候補に挙がっている。また、トランプ大統領により罷免されたニューヨーク南部地区連邦地検のプリート・バララ元連邦検事も何らかのポストを得ると見られている。ブルームバーグによると、バララ氏は連邦証券取引委員会の局長候補に挙がっているという。
そのほか、財務省長官には元財務次官のラエル・ブレイナード氏や元財務副長官のサラ・ブルーム・ラスキン氏(ともに女性)の名前が挙がっているという。財務長官には民主党の大統領選予備選に出馬したエリザベス・ウォーレン上院議員の名前も挙がっている。
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