マスク反対派の正体 仏調査で明らかになった意外な人物像

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 数は少ないものの欧州フランスにも存在するマスク反対派とは、いったいどんな人々なのか? グルノーブルの社会学者が9月7日発表したアンケート結果を紹介する。

◆ヨーロッパの反マスク主義
 反マスク主義というとアメリカやカナダが注目されがちだが、ヨーロッパにもマスク反対派は存在する。とくにドイツでは、極右がこの動きを利用する傾向があり、8月29日にはベルリンに3~4万人が集まった(フランス・キュルチュール、9/12)。デモ自体それほど多くないドイツのような国では、これは非常に大きな規模といえる。

 ドイツは欧州主要国のなかでは比較的感染者数が少ない国のひとつだが、パンデミック被害が大きな国にも、マスク反対派は存在する。たとえば、スペインでは8月半ば、約2500人のマスク反対派がマドリッドで集会を行った(ル・プティ・ジュルナル、8/17)。イタリアでは9月5日に約1000人がローマに集まり、コロナウイルスに関する政府の対策、なかでもとくにマスク着用と、就学年齢に達した子供へのワクチン接種義務に反対するデモを行った(ユーロニュース、9/8)。また、現在感染者増加の著しいクロアチア、ザグレブでも「Covidは嘘だ」「マスクを外せ、テレビを消せ、脳を目覚めさせて、人生をしっかり生きろ」などプラカードを掲げ数百人規模のデモが行われた(同)。

 同じくフランスでも、8月29日パリで最初のマスク反対デモが決行された。参加者は2~300人と少数であったが、フランス・キュルチュールによれば、SNS上の数はずっと多く、メインの反マスクグループは約13000人も集めているという。マスク着用義務はときに暴力的な反応を引き起こし、バイヨンヌでは7月、乗客にマスク着用を求めたバスの運転手が暴力を振るわれ死亡する事件まで起きている。

Text by 冠ゆき