中国に「試す」猶予を与えるコロナ第2波 尖閣で続く異常事態
7月以降、日本を新型コロナ第2波が襲っている。死亡者の動向は第1波のときより深刻ではないとされているが、感染者数は首都圏だけでなく、大阪や名古屋、福岡など各地方都市でもこれまでになく増加しており、予断を許さない状況が続いている。そして、感染者数としては大都市より少ないものの、沖縄の人口10万人あたりの感染者数は東京よりも多くなっており、在沖米軍での感染拡大も相まって、米中軍事対立の最前線でもある沖縄の動向が懸念される。在沖の米軍や自衛隊に感染が拡大すれば、南西諸島防衛の運用にも影響が出る恐れもある。一方、中国はこの状況をどう捉えているのだろうか。
◆尖閣海域で日米の反応を試す中国
最近、尖閣諸島をめぐる中国の発言からは、日米の反応を試そうとする意図が見え隠れする。中国は、日本当局に日本漁船の尖閣海域への侵入を阻止するよう求め、5月には尖閣海域を航行中の日本漁船を長時間にわたって追尾するなど、「尖閣は我々のものだ、出て行け」とする姿勢をこれまでになく強調している。今年4月中旬以降、尖閣周辺海域では中国公船の姿が毎日確認され、8月2日現在111日連続で、尖閣国有化宣言以降で最長の連続日数を更新し続けている。一連の行動で、中国は日米がどういった反応を示すかを注視し、現状打破に向けた戦略を長期的な視野で達成しようとしている。
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