Zoomパーティーでダンスも ラスベガスのパフォーマーたちの自粛生活
ラスベガスといえば、コンサートやアクロバティックショー、ストリップダンスショーなど、大勢の観光客を楽しませてくれるパフォーマンスが大きな魅力だ。しかし、これらのステージもまた、新型コロナウイルス感染拡大で自粛を余儀なくされた業態の一つでもある。
カジノについては消毒やソーシャルディスタンス確保、マスク着用義務などのルールを徹底することで再開にこぎつけたが、ラスベガスでしか味わえないスペクタクルのクライマックスを彩る数百名のパフォーマーはいまだ、再びステージに立てる日を待っている。
いま、ラスベガスでは世界各都市から集まった者も含め、多くのパフォーマーがショーの再開、そして観客が戻ってくるのを待っている。また、彼らは最高のコンディションを維持し、スキルを鍛え、それを披露する方法を模索している。
ミゲル・リベラ氏は当時、男性ストリップ集団のチッペンデールズに4ヶ月間ダンサーとして参加していた。エネルギッシュでインタラクティブな観客と毎晩過ごしていたのが、静かな日々へと変わってしまった。ショーのなかで、男性ダンサーは観客と交わり、ときには物理的に触れ合うこともあった。
「だからこそ、我々のようなショーは再開が難しいのです。もしくは、ショーを根底から変えなければなりません」とリベラ氏は言う。
いまのところ、彼らダンサーは、ラスベガスでショーに出演する多くのパフォーマー同様、ステージ再開時期などの指示は何も受けていないという。リベラ氏はいま、チッペンデールズの少数の有志とともに、Zoom上で「パーティー」を開いている。参加者はショーのロゴ入りシャツの襟とカフスを身に着け、バーチャルの独身卒業パーティや誕生日パーティなどでダンスを披露している。
「初めは、カメラの前でラップダンスを踊るなど、ちょっとおかしな感じがしました。でもこれが、我々が交流できる唯一の方法なのです」
リベラ氏は、観客のエネルギーと反響がないと寂しいと話している。バーチャルのパフォーマンスは観客とより会話をすることができるが、ときに静かすぎたり、読み取るのが難しかったりすることもある。しかし、メリットもあるという。それは、彼と視聴者が名前を呼び合って話すことができ、より楽しく、パーソナライズされた体験を提供できることだ。
バリーが運営するカジノリゾートのショー「エクストラバガンザ」のダンサー兼空中曲芸師のメリッサ・ジェームズ氏は、何週間にもわたって厳しいリハーサルを重ねてきた。しかし、3月になって夜のステージでデビューするやいなや、新型コロナウイルスの影響で店を閉めざるを得なくなり「非常に悲しかった」と話す。
それ以来、「いざ再開だ、となったときのために、いまは体型を保ち、フレッシュなまま復帰できるようにただ待っている感じ」だという。
ジェームズ氏はおもに自宅で自粛生活を続けながら、スタミナを維持するためにサーキットトレーニングや器具を使ったトレーニングを行ってきた。最近はサーカスのトレーニングスペースが再開したため、筋力や空中曲芸のスキルアップに取り組んでいる。刺激を受け続けるために、バレエの練習や振付にも取り組んでいる。
「アーティストとして、私たちはただここに座って待っているわけではないのです。毎日、クリエイティブであろうと努力しています」とジェームズ氏は話す。
By MICHELLE L. PRICE Associated Press
Translated by isshi via Conyac