米、失業者の特別補助金が今月で終了 新型コロナ感染拡大続くなか

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 新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンで、今年3月以降アメリカの失業率は急上昇し、それとともに失業保険申請者数も増加した。現在、アメリカでは3月に可決した「ケアズ・アクト(CARES Act)により、各州の規定する失業保険のほかに連邦政府からの特別補助金が週に600ドル支給されている。しかし、この補助金制度は7月31日に失効するため、失業保険受給者はその後州政府から支給される額しか受け取れないことになる。

◆各州で大きく異なる失業保険支給額
 失業保険といえど、アメリカでは各州で支給額に大きな違いがあり、州によっては食費程度にしかならない場合もある。USAトゥデイの2019年の報道によると、アメリカ全体の平均支給額は週347ドル(約3万7000円)で、週4回支給の場合は月に1388ドル(約14万8000円)。しかし、テネシー州では支給額が全米最低で週平均額が144ドル(約1万5000円)となっており、月額にするとたったの576ドル(約6万2000円)だ。南部州は家賃や生活費が他州に比べて安いといっても、この額では家賃も払えない。
 
 一方、東部マサチューセッツ州では週平均の支給額が全米最高の515ドル(約5万5000円)で、月額2060ドル(約22万円)となり、かなり生活費の足しになる額であるといえる。ちなみに、筆者の住むハワイ州は同記事によると「全米で2番目に失業者に優しい州」で、週平均の支給額は503ドル(約5万4000円)、月額2012ドル(約21万5000円)である。これはあくまで平均額であり、支給額は失業者が前職での就業時に受け取っていた額によって上下する。失業保険の支給額は各州政府により設定された割合によって決定され、また支給額と支給期間の上限も設定されている。失業保険はあくまで受給者が次の仕事を得るまでの「つなぎ」なのである。

Text by 川島 実佳