米一部州で検疫強化 訪問者に自主隔離義務
アメリカで経済が再開され、人々が外に出るやいなや、新型コロナウイルスの感染者数がまた爆発的に増え始めた。しかし、これまでアメリカにおける新型コロナ感染拡大の中心地となっていたニューヨーク州では同州知事のウェブサイトによると、現在入院患者は900人以下、1日の死者は5人にまで減っており、やっと感染抑制が軌道に乗ったようだ。
一方、ニューヨーク州で感染収束が進んできたのと反比例して、現在はテキサス州やフロリダ州、アリゾナ州、カリフォルニア州などで新規感染が激増している。アメリカでは同じ国内でも州ごとで感染者数に大きな差が出てきており、感染者数が少ない、または減少している州では検疫制度を設けるなどして他州からの流入者を防ぐ努力を開始している。
◆ハワイとアラスカは陰性結果で自主隔離免除
アメリカ国内で新型コロナウイルス感染者の増加が顕著になってきた3月下旬、いち早く「到着後14日間の自主隔離」という形で検疫制度を導入したのが筆者の居住するハワイ州だ。
訪問者への検疫制度と住民の外出禁止令、マスク着用令などの感染拡大防止政策が功を奏し、ハワイ州内の感染者と死者数は全米最少だ。ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、現在(7月1日午前11時)、アメリカ全体の感染者総数は263万4432人、うち死者は12万7410人であるのに対し、ハワイ州保健衛生局の統計によると、同州の感染者総数は917人で、うち死者は18人、736人はすでに隔離期間を終えている。
同州のデービッド・イゲ知事は6月10日、同州への訪問者・帰還者(他州・他国を訪れた州民)に対する14日間の自主隔離令を7月31日まで延長。しかしその一方で観光客受け入れ再開を視野に入れ、同知事は8月1日より出発72時間以内に受けた新型コロナウイルス検査の陰性結果を提示した場合は自主隔離義務を免除すると公表した。
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